京都地裁「更新料無効」判決下す

元入居者が賃貸住宅の更新料の返還を家主に求めていた訴訟で、7月23日、京都地裁は入居者側の訴えを認める判決を下した。「更新料の支払いを定めた特約は、消費者契約法10条に反し無効」とし、家主に全額返還を命じた。
元入居者は、月額賃料5万8000円、保証金35万円、解約引き30万円、更新料2カ月分の条件で京都市内の賃貸住宅を平成18年4月に契約。今年5月に退去。敷引き特約および更新料特約は無効であるとして京都地裁に訴えていた。
先日、大阪高裁にて敷引き金返還訴訟で貸主側の主張を認める判決が下されたことから、消費者契約法関連の訴訟で家主側主張が認められるようになった、という機運が盛り上がっていただけに、今回の判決が業界に与えた衝撃は大きい。
(財)日本賃貸住宅管理協会京都府支部の吉田光一支部長は、「我々は更新料は有効と考えており、京都地裁判決は不当判決だ。やはり、8月27日の大阪高裁判決に注目したい」と悔しさを滲ませた。
更新料返還請求訴訟をはじめ、賃貸借契約関連の訴訟を多数担当する田中伸弁護士は、判決の事実認識に疑問を呈する(なお、田中弁護士は本件の担当弁護士ではない)。
「判決文によると、賃借人と賃貸人の間には、物件選びおよび契約時の情報収集力の差があるとしています。しかしながら今は、インターネット等で多数の物件情報を収集し、その中から選べる時代。これは現状の部屋選びの実情に反しています。また、更新料は賃料の一部だという説明は不明瞭だとしていますが、それも情報収集・契約時に分かるはず。消費者契約法を考える上で重要な”了知”と”選択”という二つの要件は満たされているはずですが、それを認めていません」
今回の判決が8月27日に言い渡しを控える京都更新料返還請求訴訟の大阪高裁判決に与える影響については「別の訴訟なので影響はないはず」という。
更新料は関東および近畿圏の一部で商慣習として定着している。それだけに、現在行われている一連の訴訟が業界に与える影響は大きい。今回の判決により、更新料が消費者契約法違反かどうかの議論は、いまだ判断は統一されていないことがあらためて明らかになった。今後の行方にますます注目が集まる。

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