電力自由化 単身世帯に恩恵なし

新料金プランを発表
4月1日の電力自由化に向け、東京電力(東京都千代田区)と東京ガス(東京都港区)が新料金プランを発表した。料金的なメリットを期待する声が多い中、両社のプランは賃貸住宅の入居者にどんな影響をもたらすのか。
関東圏2000万世帯に電力を供給している東京電力(東京都千代田区)が1月7日に発表したのは、家庭向けプランに生活関連サービスを組み合わせ、総合的に料金や利便性のメリットを打ち出したサービスメニューだ。
基本となるのは、単身からファミリー世帯を対象にしたベーシックな料金設定の「スタンダードプラン」と、電気代が1万7000円/月以上かかっている家庭向け「プレミアムプラン」、オール電化住宅を対象にした「スマートライフプラン」、昼間の消費電力が少ないDINKSなどの家庭が対象の「夜トクプラン」の4種類。
これらに電気使用量に応じて付加されるポイントや、提携異業種が提供するインターネットやLPガスなどのサービスを組み合わせる。
現時点で発表されている提携業者はソフトバンクやUSEN、ニチガスグループ、レモンガス、ビッグカメラなど21社。
今後は提携業者の拡大とともに、リフォームや家電などに関する情報をまとめた会員サイト「くらしTEPCO(テプコ)」を順次更新し、利便性を向上させていく方針だ。
スタンダードSプランにニチガスグループ(東京都渋谷区)が提供するLPガスをセットで利用した場合、3LDKのマンションで平均使用量が400kWh/月の家庭では、年間で約6500円相当安くなる試算だという。
最も割安なモデルはキャンペーンや各種サービスを組み合わせた4LDK世帯で、毎月1万9000円前後になる。
2年契約の先行予約を利用すると、約1万850円安くなる。
ファミリー世帯であれば、賃貸住宅の入居者でも料金的なメリットは十分に感じることができそうだ。
一方、東京ガスが昨年12月24日に発表した「ずっともプラン」は、ガスと電気をセットで利用することで基本料金を250円(税別)割引する。
年間で3000円(税別)の割引になる計算だ。
電気料金は使えば使うほど安くなる。
東京電力と同様、電力消費の多いファミリー世帯などには料金的なメリットが大きい。
また、提携するインターネット事業者のサービスや使用量に応じて付与されるポイントやキャンペーンなどと組み合わせると、4LDKの家庭の月額負担は1万9000円程度になるという。
両社のプランを比較すると価格はほぼ同水準。
料金的なメリットを得やすいファミリー物件では、付随するサービスの内容が事業者選びのポイントになりそうだ。
では、単身者の場合はどうか。東京電力のカスタマーサービス・カンパニー・プレジデントの小早川智明氏は、「1カ月当たりの電気使用量が299kWh以下だと、価格は現行の従量電灯と同じだ。
そのため料金面だけで割安感を感じることは難しい。
電気使用量に応じて付加されるポイントや、提携事業者が提供するインターネットやLPガス、駆けつけサービスなどを含めて総合的にメリットを感じてもらいたい」と語る。
料金が使用量に応じて変動する東京ガスも、電力消費が少ない単身世帯などでは電気単独で価格的なメリットを得ることは難しい。
電力自由化が賃貸市場に及ぼす影響は、他の事業者の今後の動きによるところが大きそうだ。
他社が単身者世帯でも価格面で十分なメリットを感じられるような料金プランを発表すれば、市場は一気に活気づくかもしれない。
今後の動向を注視したい。

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