大幅増益相次ぐハウスメーカー

相続税対策と低金利でアパート受注拡大
ハウスメーカーの第3四半期決算は、昨年1月の相続税制改正によって増加した、節税目的のアパート受注が業績をけん引し、各社とも増収増益となった。
今後も、低金利の後押しなどで建築需要は底堅く推移していくことが見込まれる。
建築請負業で前年同期18億5500万円の営業損失から一転、8億5200万円の黒字を計上したのはレオパレス21(東京都中野区)だ。
12日に発表した2016年3月期第3四半期決算(3Q)は、売上高が前年同期比7.4%増の3765億4100万円、経常利益が同69.8%増の146億6400万円と大幅増益だった。
建築請負業が大きく改善した要因は、相続税ニーズの高まりを受けて、高い入居率が見込める都心部を対象にしたアパート商品を投入したことにあるようだ。
売り上げの約8割を占める賃貸事業では、入居率が前年同期末と比べて1.2ポイント改善し、86.89%に上昇した。
入居促進を図るために、100種以上の壁紙を無料で選べる「お部屋カスタマイズ」や、入居者専用ウェブサイトの内容を充実させた。
また、セキュリティシステムを積極的に導入し、女性・法人需要の取り込みを強化。
さらに、外国人契約を拡大するためのサポート体制を整備したことも、入居率向上に寄与した。
売上高は同2.9%増の3049億8700万円、営業利益は同19.9%増の181億5500万円と事業単体でも増収増益になった。
5日に同じく3Qを発表した大和ハウス工業(大阪市北区)も経常利益を大幅に伸長させた。
4~12月の売上高は前年同期比13.5%増の2兆2423億3600万円、経常利益は同43%増の1708億円2600万円だった。
最も大きなウェイトを占める賃貸住宅事業の売上高は、同13.7%増の6274億円、営業利益も18.5%増加した。
戸建住宅、マンション、住宅ストック、商業施設など、その他のセグメントもすべて売り上げが増加し、通期予想では純利益が前期比31.5%増の1540億円で、過去最高を更新する見込みだ。
円安や株高、原油価格の値下がりによる原材料費の改善で業績が拡大したのは、約87万戸の賃貸住宅を管理する大東建託(東京都港区)だ。
1月28日に3Qを発表、売上高は前年同期比5.9%増の1兆496億8800万円で、経常利益は同16.1%増の910億6100万円だった。
消費税引き上げに伴う反動減の影響が薄れ、新築着工数が堅調に推移した。
主力の賃貸住宅分野における着工戸数は4月~11月累計で同7.9%増となった。
各社堅調な伸びを示す新築受注だが、一方で課題となるのは入居率の維持向上だ。
前述の3社はいずれもサブリースを活用しているため、借り上げ物件の入居率が収益に大きな影響を与える。
業績拡大を継続していくためには、入居者に支持される物件づくりがポイントになる。
例えば大和ハウスは、防犯性能の向上に注力し、女性入居者層から高い支持を得ている。
大東建託は、保険やIT設備を利用し、高齢者の入居に伴うリスクを解消するための仕組みづくりを進め、高齢者入居を積極的に促進している。
高い入居率でオーナーの支持を集められれば、新たなアパート受注につながる好循環を生み出すことになる。

関連記事