賃貸住宅の省エネ化を推進

国土交通省は18日、社会資本整備審議会建築分科会を開き、「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方(第二次報告)」をとりまとめた。
建築物省エネ法改正案として今国会に提出を目指している。
今後、賃貸アパートを大量に供給する大手建設会社は、省エネ基準への適合が求められることになる。
国では地球温暖化対策計画に基づき、2030年度までに温暖化ガスの排出量を13年度と比較して26%削減することを目標としている。
18年9月からこの目標達成に向けた施策について議論を重ねてきた。
省エネルギー基準への適合が義務化されるのは、延べ床面積2000m2以上の大規模建築物と、延べ床面積が300m2以上2000m2未満の中規模建築物までで、住宅や小規模建築物は対象から外れた。
ただし、建売戸建住宅の省エネ性能向上を促す『住宅トップランナー制度』の対象を賃貸住宅にも広げる。
『住宅トップランナー制度』とは、省エネ法改正により設けられた制度だ。
現状では、年間150戸以上の分譲戸建住宅を供給する建設会社に対して、新築する住宅が一定の省エネ基準に適合することを求めている。
省エネ法が改正されると、賃貸住宅についても対象となる企業は年間供給戸数で決まる。
明確な戸数は決まっていないが、「年間150戸以上」を供給する企業が対象になる見込みだ。
例えば年間供給戸数が300戸以上となれば、対象となる企業は左の表のとおりだ。


適合状況が不十分であれば、国交省が勧告、社名の公表、改善命令を行う。
過去に勧告や社名を公表した企業はない。国交省の担当者によると「対象となる大手事業者の9割が基準を満たしている」と語る。
今後の課題として、消費者への周知の必要性が議題に上がった。
省エネ性の高い住宅が市場で適切に評価され消費者に選択されるような環境整備が欠かせない。
すでにある省エネ性能の表示制度『BELS(ベルス)』は、注文住宅を中心に普及が進んでいる。
18年9月末で累積件数は6万3000件だ。今後は賃貸住宅やテナントビルにおいても表示制度の普及を促す必要がある。
不動産ポータルサイトへの物件掲載時に表示を促すなどの方策を検討していく。
1月28日からの通常国会に建築物省エネ法の改正案を提出する計画で、具体的な施行時期は明らかになっていない。
賃貸住宅業界では、大東建託や大和ハウス工業、積水ハウスなどの大手企業がすでに省エネ性能が高いアパートやマンションを開発している。
住宅トップランナー制度の対象企業について現時点では不明確だ。
しかし、事業規模を問わず、いずれは省エネ性を持つ賃貸住宅を供給しなければいけなくなってくるだろう。

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