オフマーケット物件を開拓
衛星データを活用した不動産AIツール「WHERE」を提供するWHERE(東京都文京区)と、不動産一括査定サイト「リビンマッチ」を運営するリビン・テクノロジーズ(東京都中央区)は、両社が保有するデータを組み合わせ、市場に出る前の不動産の売却機会を捉える仕組みの構築に乗り出した。現在は実証実験(PoC)の段階で、将来のサービス化を見据える。
不動産事業においては、条件に合った売り物件情報をいかに早く取得できるかが成功の鍵を握る。今回、両社がサービス化を計画しているのは、そうした不動産売却の潜在ニーズを事前にキャッチしようとする取り組みだ。
リビンマッチには、不動産会社への相談や売り出しに至る前の、不動産所有者からの査定依頼が寄せられる。今回のPoCでは、リビンマッチへの査定依頼の状況を3㎞四方のメッシュ単位でWHEREのシステム上に表示する。登記情報の変更状況なども照らし合わせ、売却を検討しながら、まだ動いていない不動産へのアプローチにつなげる考えだ。
WHEREの西村仁COOは「マーキングしていた物件について売却意向が高まったというシグナルが立ち、そのタイミングでアプローチできる世界をつくりたい」と話す。WHEREは売買仲介会社などを中心に200社超で利用されているが、外部から把握できる物件情報だけでは、所有者の売却意思まではわからなかった。リビンマッチのデータを組み合わせることで、この課題の解消を図る。
リビン・テクノロジーズ・不動産メディア事業ユニットの尾形新実営業局局長は、今回の取り組みについて「これまで蓄積してきたデータの活用をさらに進める取り組みの一環」と説明する。同社では、すぐに売却する所有者だけを対象とするのではなく、潜在顧客との早期の接点をつくり、中長期で関係を築くためのデータ活用を想定している。
(2026年10月19日15面に掲載)





