遺言作成で税負担軽減へ

自民特命委が方針固める
与党・自民党の「家族の絆を守る特命委員会」は、遺言による相続を対象に、相続税負担を軽減する「遺言控除」の新設を要望する方針を固めた。
遺言を普及させ、相続トラブルの発生を防止するのが最大の狙いだ。
同会委員長の古川俊治参議院議員は7月10日、本紙取材に対し、「相続する資産額にもよるが公正証書遺言を作るのには、約10万円の費用がかかるため、作成に抵抗を覚える人が多い。遺言控除が遺言作成のモチベーションになればいい」と、増える相続争いの抑制のために、遺言作成を促進したい考えを示した。
不動産を巡るトラブルは年々、増加傾向にある。
古川氏は「今は昔に比べ、一生かけて働いても稼げないほど不動産価格が上がってしまった。相続が人生の一大イベントになってしまったため、相続争いで家族関係が壊れることも珍しくない」と現状を嘆いた。
一方、今回の動きを専門家はどう見るのか。
相続税・資産税の専門家として、多数の相続案件を手掛けてきた松木飯塚税理士法人(東京都港区)の飯塚美幸税理士は「今年の税制改正で、課税対象が拡大され、今まで相続に縁のなかった方々にも相続税がかかるようになりました。相続を巡るトラブルも増えることが予想されるため、その対策になると考えられます」と語る。
飯塚税理士によると、裁判に発展する相続案件は2000万~5000万円の資産規模が中心。
小規模であるがために自身が資産家であるという認識が低く、遺言という発想が起きにくいのだという。
「一定規模の地主やビル・マンションオーナーは、相続対策を考えているケースが比較的、多いため、今回の「遺産控除」は小規模資産家に朗報だ。

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