Airbnb物件 85%が無許可

実態知りながら保健所は取り締まれず
民泊仲介サイト大手のAirbnb(米国サンフランシスコ)に掲載された物件のうち、少なくとも8割が無許可で民泊を運営していることが、本紙調査によりわかった。
保健所はこうした無許可民泊が増加している実態を把握しているが、捜査権がないことから取り締まりの強化はされないままだ。
今回の調査では、Airbnbに掲載される物件を地域別に検索し、その中から集合住宅の一室や戸建て住宅など、住居専用地を貸し出しているものを集計した。
調査対象地域は、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の23区18市。
その結果、該当したのは3375件だった。
次に、調査対象地で民泊を運用するために必要となる簡易宿所の認可を得た施設の数について、各区・市へ聞き取りを行い、住居専用地で登録している数値のみを集計した。
その結果、該当したのは503件だけだった。
なお、一部の自治体では立地の分類を行っていなかったため、その場合は簡易宿所の総数を数値とした。
特区民泊については調査時点で事業開始を認めている大田区のみを対象とした。
この結果から、今回の調査対象地におけるAirbnb掲載物件のうち、少なくとも85%は無許可の民泊物件ということになる。
掲載数が多かったのは新宿区と大阪市、福岡市だ。
3地域ともAirbnbの検索上限数である306件に達してしまい、それを上回る数値を算出できなかった。
国家戦略特別区域(以下、特区民泊)として外国人滞在施設経営事業が認められた大田区でも、同じ方法で調査を行った。
その結果、掲載物件のうち約6割が無許可の疑いがあることがわかった。
管轄する保健所担当者は「特区として民泊の許可を受けているものがすべてAirbnbに掲載しているとは限らない。掲載する物件の多くは無許可だと思われるが、Airbnbのサイトでは具体的な物件名を特定できていないのが現状だ」とした。
大田区で特区民泊に認定されいてる19件の事業者の中には、独自に民泊サイトを運営する百戦錬磨(東京都千代田区)や、賃貸管理のアンビション(東京都渋谷区)が含まれる。
だが、両社ともAirbnbには掲載していない。
簡易宿所営業の許可を把握する保健所は、Airbnbなど民泊仲介サイトで無許可民泊が増加している実態を把握している一方で、違反者の取り締まりに踏み出せない現状に頭を悩ませている。
大田区保健所は「Airbnbに掲載される情報だけでは住所や物件名、貸主の特定ができない。近隣住民からのクレームなどがあれば調査できるのだが、捜査権がないので強制的に立ち入ることはできない」と渋い顔を見せた。
本紙がAirbnbに無許可民泊の掲載が増加している実態について問い合わせてみたが、回答はない(7月29日現在)。
政府は早ければ秋ごろにも民泊新法の制定を予定しており、その骨子には民泊仲介サイトに対する規制案も盛り込まれている。
特区民泊、利用進まず
5カ月間でわずか36件
 政府は7月28日に、2月から大田区で開始した特区民泊の利用件数が5カ月間で36件に留まっていることを明らかにした。
宿泊した人数は90人で、そのうち外国人は43人。
宿泊日数は述べ305日となった。
政府が定めた特区民泊の対象地域は、東京都23区や大阪府のほか、新潟市や仙台市、福岡市などがあるが、自治体として民泊事業者に営業許可を出したのは大田区しかない。
大田区で特区民泊の認定を受けたのは19件(7月29日時点)。
簡易宿所申請も増えず
特区以外で民泊を行うには、農林業体験やイベント開催といった特殊な条件下を除くと、旅館業の許可を得るほかない。
旅館業法は構造や宿泊形態によって4種に分類されるが、住宅で民泊を行うためには、その中の『簡易宿所営業』の許可を得るのが一般的だ。
今年になって許可を求める声も増加している。
千代田区保健所は「民泊をはじめたいという相談が増えているが、そのすべてが居室の構造上の問題から断念している。簡易宿所の許可を得るには、2つ以上のトイレを設置していなければいけないなどの条件があるが、集合住宅の一室でそうした部屋はほとんどない。許可を得るために工事に踏み切ろうという相談者は、これまでのところ一人もいない」と語った。

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