野村不動産、初のサ高住完成

超高齢化社会を見据え、野村不動産グループがサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)事業のプレーヤーとして名乗りを上げた。第1号案件となる『オウカス船橋』を竣工し19日発表。デべ各社も、サ高住を組み込んだ大規模開発を次々と進めており、街づくりの中で高齢者向けの賃貸住宅は欠かせない要素になりつつある。
野村不動産グループの野村不動産ウェルネス(東京都新宿区)は19日、『オウカス船橋』の完成式典を行った。冒頭のあいさつで、野村不動産ホールディングスの沓掛英二CEOが登壇。「超高齢化社会に対応するため、10年間にわたってシニア住宅の検討を進めてきた。核家族化と高齢化が進む中で、現役世代に代わって入居する高齢者を安全に見守り、健康寿命を延長する物件にしていく。これまでにはないコンセプトのサ高住」と自信を見せた。


2015年には、シニア住宅の事業会社である野村不動産ウェルネスを設立した。10年で40棟5000戸の供給を目指しており、すでに千葉・海浜幕張、神奈川・日吉と東京・三鷹の3プロジェクトが進行中で、各案件120戸規模の物件を企画している。
野村不動産ウェルネスの関敏昭社長は「グループで開発を進める都市型コンパクトタウンの中で、高齢者とファミリーが共に暮らせるピース(一部)になる物件を作っていきたい」と話す。
『オウカス船橋』は、野村不動産グループが開発を行った『ふなばし森のシティ』の一角に建設。東武野田線「新船橋」駅から徒歩5分に建つ全125戸の物件だ。隣接する敷地には1500戸の分譲マンションが入る。同社が手掛けてきた高級分譲マンションのノウハウを生かした、グレードの高い仕様が特徴だ。外観に沖縄の花ブロックを採用。共用部には木材をふんだんに使い、入居者がくつろげる空間づくりを目指した。さらに、「100歳まで健康に暮らす」をテーマに、フィットネスクラブを設置。トレーナーが常駐し、健康指導も行う。
8月5日から内見を開始。1000件以上の問い合わせがあり、そのうち見学者は400組となる。入居開始の10月25日時点で40件ほどの成約を見込み、1年かけて満室にしていく。賃料は10万~23万円で管理・サービス料は別途11万円。
見学者が入居を希望しても、年金の不足分は手元資金の切り崩しが必要になるため、家族の反対を受けるケースもあり、入居付けが課題の一つになっている。
東急不動産(東京都港区)は12日、横浜市内の大規模再開発の中で、サ高住181戸と高齢者向け優良賃貸住宅32戸が1棟に入った物件を手掛けることを発表。企画したサ高住は7棟793戸となる。東京建物(東京都中央区)は8月25日に、神奈川県藤沢市で70戸のサ高住を開設。敷地内に、分譲マンションや入居者と地域住民が利用できるコミュニティ施設が立つ。

関連記事