賃貸大手が管理物件のIoT化着手

大手賃貸管理会社が、管理物件のIoT(モノのインターネット)化を進める動きが出ている。大東建託(東京都港区)は、実証実験をスタートし管理物件の家電ごとの消費電力の確認や見守りサービスにも活用していく予定だ。
後付けでき大掛かりな工事が必要ない点で、導入のしやすさがある一方、インターネット接続が前提となることからオーナーへの提案をどのように進めていくかの課題もある。
大東建託は11日、東京電力パワーグリッド(以下、東電PG:東京都千代田区)と連携し、関東エリアの賃貸管理物件20棟を対象にIoT化の実証実験を開始した。
住宅におけるIoTにより、家電や設備をインターネットに接続し、スマートフォン上で操作できるようにしたり、使用状況のデータをクラウド上に集めて情報の見える化を行える。


大東建託では消費電力の見える化を進める。実証実験では、賃貸住宅の分電盤に電力センサーを接続。棟内のインターネット回線を通じて各戸のルーターにつなぐことで、東電PGの開発したIoTプラットフォーム上に家電ごとの使用情報を蓄積・分析する。エアコン、テレビ、冷蔵庫などの家電の使用状況や電気代などを把握できるようになる。
同社は入居者向けのスマホアプリを開発し、アプリ上で毎月の家賃や管理会社からの連絡事項を確認できる。今後は、IoT化した物件の入居者がアプリで家電製品の使用電力をチェックできるようにする。さらにデータを分析し同居する家族の見守りにもつなげていきたい考えだ。実証実験で入居者からの意見を吸い上げ具体的なサービスに反映していく。
大和リビング(東京都江東区)は、2018年10月までに50万戸ある管理物件のうち10万戸をIoT化する予定だ。管理物件に小型スピーカー『Google Home Mini(グーグルホームミニ)』と赤外線対応のマルチリモコンを設置。入居者が「エアコンをつけて」「寒い」など発声すると、エアコンの電源をオンにしたり、室内の温度を調整してくれる。IoTに対応する家電の販売も行うという。
管理業務への活用を見据えるのがレオパレス21(東京都中野区)だ。IoTと広範囲無線技術を応用。半径10キロメートルまで電波が届くシステムを導入し管理物件から管理センターに情報を送る。例えば、アパートの備え付けのゴミ置き場にセンサーをつけ、一定の水準以上にゴミがあふれると管理センターに自動的に連絡がいくようにするなどの活用を検討する。
課題は、IoT導入に必須のインターネット環境をどう整備していくかだ。大東建託は「工事自体は分電盤の設置程度なので数万円程度しかかからないだろう。だが、管理物件のうち、入居者の契約にかかわらず全戸にネット接続ができる物件はまだ一部。入居者からIoTの導入需要があることがわかれば、ネット無料物件の整備提案もしやすくなるのでは」と話す。大和リビングはIoTとWi-Fiを併せて整備し、入居者に2700円で提供し売り上げを立てる。
 大手が本腰を入れることで、賃貸住宅のIoT化が進んでいきそうだ。

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