電力やガスの代理店事業活況

エネルギーの自由化が不動産会社の新たな収益源になりそうだ。電力や都市ガス小売りの代理店になりコミッションフィーを得る企業が増えている。
日本瓦斯(以下、ニチガス:東京都渋谷区)は、今年4月からのガス自由化に名乗りを上げた。4月から新規に代理店になった不動産会社は100社にのぼる。同社はこれまで不動産会社とプロパンガス販売で提携してきたが、都市ガスの販売を本格的に始めて以来、不動産会社から「契約切り替えの代理業務を行いたい」と毎月連絡が来るという。
ニチガスのエネルギー企画部の浅野遼氏は「4月と5月は不動産会社のガス小売り自由化に関する認知が進んでいなかったためか、代理店希望の話は少なかった。6月以降から増えてきて、毎月10社以上の不動産会社が代理店になっている」と話す。東京ガスの一般料金と比較して標準基本料金から5%割引になる。
コミッションフィーはエリアや建物が単身者向けかファミリーかによって変わってくるが、数千円程度だという。「多い会社は月100件以上契約につながっている」とニチガスの浅野氏。仮に1件の切り替えが2000円だとすると20万円の売り上げになる。


ガスより1年前に完全自由化された電力でも、不動産会社が販売代理業に参入している。
福島電力(福島県双葉郡)は、急激に不動産会社の代理店の数を増やしている。2月からパートナー企業向けのセミナーと募集を開始し、11月までに1200社と提携。そのうち8割が不動産会社だ。8月から本格的に全国賃貸管理ビジネス協会が、10月からは建設会社や不動産会社が入会する全国住宅産業協会が加盟企業の募集協力を始めたことで18年3月には2000社にまで拡大する見込みだ。
福島電力総務部の高木宏部長は「当社の取り次ぎを提案することで、社内に負担をかけずに新たな電力という領域での収益が獲得できる。お客様に対しても、一般送配電事業者よりも割安な電気を供給することで、同時に顧客満足度の向上にもつながる」と話す。9月に提携した明和不動産管理では300kWh以上の使用で約15%安くなるという。
センチュリー21・ジャパン(東京都港区)は3月から加盟店の契約者を対象に、『スマ電』の提供を開始し、3500件の契約につなげている。そのうち約半分は首都圏エリア。東京電力エリアの場合、40Aの契約では250円、50A、60Aでは500円毎月定額で値引きされるサービスだ。
家賃の減額傾向が続き仲介手数料も減る中、新電力の代理店フィーで収益を上げたい不動産会社が次々と参入している。

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