空室の時間貸し事業に参入

不動産会社が時間貸しビジネスに本腰を入れ始めた。ハウスドゥ(東京都千代田区)は23日、レンタルスペースブランド『タイムルーム』を本格始動することを明らかにした。九州大手の三好不動産(福岡市)はサブリース物件でレンタルスペース第一号の運営を2月から開始する。オーナーに対し、空室対策としての新たな貸し方を提案し差別化を図る。
空室活用の新たな可能性として、時間貸しに不動産会社が目を向け始めた。
ハウスドゥは『タイムルーム』の名称でサービスを提供する。時間貸しのマッチングサイトと運営用のクラウドシステム、アプリを自社開発。利用希望者は同サイトから物件を検索して、予約と決済を行う。対象物件にはスマートロックを設置し、利用時にはスマホで開錠し、利用時間が終了すると同時に自動施錠される。オーナーや不動産会社は、サイトに連携するクラウドシステム上から、物件の登録や運営管理、利用状況の確認などが行える仕組みだ。2月から直営店と協力会社でテストマーケティングを行い、4月からのリリースに向け準備を進める。
同社は時間貸しの需要を探るため、17年から京都市内の20㎡の賃貸住宅で事業を始めた。10~21時、1時間990
円で貸し出したところ、1日あたり4~5時間、1カ月の約半分の日数で利用があった。グループでのパーティーや勉強会などに使われているという。空室に悩むオーナーに対する提案として、ラインナップに加えられると考え事業化を決めた。
ハウスドゥの安藤正弘社長は「時間貸しのシステムを早急に作り全国展開する。加盟店にならなくともサービス提供を行う。まずはサイトの物件掲載数を増やし、利用者側に浸透させていくことが重要」と期待を込める。
サイト利用料は従来の時間貸しサイトよりも10~15%低く設定し、物件登録者の拡大を図る。2月から東京や大阪で説明会を実施し、不動産会社への周知を行っていく。
三好不動産は借り上げ運営
九州大手の三好不動産は2月1日に、賃貸住宅の店舗部分を借り上げYAKUIN URBAN SPACE(薬院アーバンスペース)』をオープンする。齊藤寛課長は「賃貸住宅でも、1階のテナント部分は審査が厳しく、入居まで時間がかかる場合が多い。法人などの固定客を捕まえれば採算が取れる。当物件をモデルケースにして、家主に提案し、事業を広げていく」と話す。
物件は2フロアで81㎡。キッチン付きで、企業の会議や料理教室、イベントなどでの活用を見込む。今後は、ホームページや、チラシ配布に加え、デザイナーやスタイリストなど著名人を招待してパーティーを企画し、SNSでの拡散効果による認知度向上も狙う。


14年4月に開始した時間貸しマッチングサイト『スペースマーケット』の物件提供者は開設当初個人がほとんどだったが、現在では1割が不動産会社になっている。運営会社のスペースマーケット(東京都新宿区)によると、不動産会社向けの事業説明セミナーには100人が参加し、大手、中堅の管理会社が事業を検討しているという。
 空室対策といえば、家賃の減額かリフォームだった時代は変わりつつある。シェアリングエコノミーの登場で貸し方が多様化する中、賃貸住宅の価値を高める使い方を管理会社がオーナーに提案できるかどうかが、今後の管理獲得競争に勝ち残るカギになりそうだ。

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