アクトコール、平井社長退任

不適切な会計処理に経営陣が関与したことが発覚したアクトコール(東京都新宿区)は15日、平井俊広社長の退任が内定したことを発表した。しかし退任時期は4カ月ほど先の来年2月で、定時株主総会までは社長を続投する意向だ。
平井社長のほかに菊地聡取締役、田端知明取締役も来年2月の定時株主総会をもって退任し、再任候補としない決定をした。平井社長の退任後の役職と、新社長はまだ決まっていない。臨時総会を開きすぐに退任しない理由について同社広報部に取材をしたところ「取引先への影響を配慮している。それ以上はコメントできない」と回答があった。
再発防止策をいくつか挙げ、そのうちのひとつで多角経営方針を見直すことを明らかにしている。賃貸住宅などへのかけつけサービスやコールセンター業務、レンタルオフィス運営、子会社・インサイト(同)の家賃決済や収納代行業務に集中する。


今回会計処理で問題になった不動産の売買や企画開発を行う不動産ソリューション事業や、フランチャイズ事業の『RE/MAX(リマックス)』の代理店業務からも撤退する。
事の発端は、アクトコールが2018年11月期第2四半期決算監査期間中に会計処理に関する指摘を受け、訂正の可能性が浮上したことだ。第三者委員会を設置し調査した結果、3案件について不適切な会計処理が見つかった。
その一つは大阪市西区の土地の売買取引に関する会計処理だ。アクトコールは16年9月16日に、同所の土地3筆を1億6500万円で購入し、17年2月X社に1億8000万円で売却した。X社に売却後、トラブルが発生したため、土地の買い戻しを検討した。しかし、監査法人から買い戻しをすると過年度の売り上げが取り消しになると指摘を受け、自社での買い戻しを断念した。
そこで、平井社長の実兄T氏に土地の買い取りを依頼、T氏が社長を務める会社「平井物産」が買い取ることが決まった。ただ平井物産は資金がないため、18年1月29日に平井社長が100%の株式を保有する会社「エフォート」から2億3800万円を借り受けた。同月31日、X社は平井物産に土地を約2億3700万円で売却する契約を結び、翌日に平井物産から売買代金を受け取った。
第三者委員会の調査では、アクトコールがエフォートと平井物産を実質的に支配していたと言及している。そのため、同取引は会計上、アクトコール子会社による買い戻しであると判断した。よって、17年11月期第2四半期に計上したX社に対する土地売却による売り上げは取り消すべきと考えられる。
アクトコールは10月15日、過年度決算訂正関連費用を特別損失として、7400万円を計上した。同日に発表した18年11月期第3四半期(17年12月~18年8月)の業績は、連結最終損益が3億9500万円だった。前期は5円配当を実施していたが、5期ぶりの無配になった。さらに18年11月末時点の株主を対象にした株主優待制度も廃止することを決めた。

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