不動産フランチャイズチェーン(FC)の提供する価値が多様化している。駅前に大手FCの看板を掲げれば集客できる時代は終わり、FCも加盟店数増加を重視しなくなった。各FCは、法人送客や採用支援、加盟店同士のつながり提供などに注力している。
送客・採用に加え加盟店の成約促進
法人仲介に強み
アパマンショップ
賃貸仲介・管理を主力に売買仲介なども行う加盟店を多く抱える「アパマンショップ」は、法人送客や採用支援などで加盟店をサポートする。
アパマンショップを運営するAPAMANでは、大企業の社宅案件獲得に注力。依頼案件の見込み客を加盟店に送客する。本部の法人提携社数は5月末時点で5000社を突破。2025年10月から26年5月までの本部から加盟企業への社宅案件送客数は、前年同期比111%となった。本部が全国展開企業や大手法人の開拓を進め、加盟店が地域の企業へ営業することで、全国からも地域からも法人需要の獲得に取り組む。APAMANの川森敬史副会長は「加盟店と本部が同じ方向を向いて施策を実施できるのが私たちの強み」と話す。
不動産業界に限らず企業の大きな課題となっている採用の支援にも力を入れる。本部では15年より独自の「アパマンショップ求人サイト」を運営しており、累計2万7000人以上の応募実績がある。
「教え合う文化」醸成
センチュリー21
「センチュリー21」には、売買仲介や買い取り再販専門の会社から賃貸仲介・管理中心の会社まで幅広い不動産会社が加盟する。AI活用による加盟店の業務効率化に注力するほか、地域連絡会の運営により加盟店同士が「教え合う文化」を醸成している点が特徴だ。
同FCを運営するセンチュリー21・ジャパンでは、加盟店に提供する基幹システム「21クラウド」に17年からAIを実装。間取り図作成や写真の自動加工、過去の取引データから特約事項を呼び出し契約書を自動で生成する機能などを実現した。AIの売却価格査定システムなどの加盟店への提供も進めている。
本部が事務局となって運営する全国10地区の地域連絡会では、加盟店同士がイベントなどを通して交流・情報交換を行っている。奥村秀哉常務は「この『教え合い、助け合う文化』がセンチュリー21の特徴」と話す。





