屋内用の消臭液「封印リキッド」を開発したケシサルJapan(大阪市)は、7月に販売を開始した同製品の販路拡大に取り組む。不動産会社を販売代理店としている。
同製品は、不快な臭いが染みついた建物の床や壁、天井にスプレーして表面をコーティングすることで、臭いを物理的に閉じ込めるもの。事故物件やごみ屋敷などの原状回復において、建材の交換や解体をすることなく、費用を大幅に削減することが期待できる。
従来の消臭は、空気中の匂いを分解したり、マスキングするものが主流だ。しかし、壁や床の奥に染み込んだ臭いは時間がたつと再び漂う戻り臭が発生しやすい。封印リキッドはその点に着目し、悪臭物質を膜で閉じ込め、戻り臭を遮断する効果がある。具体的には、建材に吹き付けたナノレベルのシリカゾル(ケイ素化合物の微粒子が分散した液体)が乾燥することで薄いガラス質の膜を形成する。この膜が、臭いが吸着した建材の表面に密着し、封印する仕組みだ。4月に特許を取得した。
ラインアップは、特殊清掃用、ゴミ屋敷用、煙臭用の3種に対し、それぞれ床用と壁・天井用の計6種類を用意。価格は1リットル1万9800円(税込み)だ。
使用方法は、はじめに汚染物の除去と消臭剤を散布し、建材を一度乾燥させる。仕上げに同製品をスプレーして24時間乾燥する流れ。
販売代理店の不動産会社は、賃貸住宅の入居前施工を付帯商品としたり、家主や工務店へ販売したりしている。工務店では、中古住宅の引き渡し前に使用し、前居住者の生活臭を防ぐ用途でも活用されている。
河合徳治社長は「封印リキッドは建材の中にまで浸透し内部でラッピング状態を作ることで、壁や天井の石膏ボードにすでに染み込んだたくさんの匂いを包み込んで外に出さないというアプローチをとっている。こうした手法は今までにない新しいものだ」と語る。
河合社長自身、20年以上前から賃貸住宅を所有している家主だ。過去に所有物件で孤独死やペットの無断飼育が発生した際に、リフォーム後も残る臭いに悩んだ経験を持つ。そのことが開発の原点となっている。
(2026年9月14日13面に掲載)





