東京都台東区の賃貸マンションの一室で入居者の孤独死による特殊清掃が、先日行われた。遺品整理と特殊清掃を手がけたのは、一般社団法人全日本花輪式完全消臭連盟(青森市)とその加盟店となる特殊清掃会社だ。臭いを消したり、汚れを落としたりするのに特化し、特許を取得したオリジナルの消臭剤を用いて清掃する。全国賃貸住宅新聞の記者が現場に立ち会った。
壁材・床材のはり替え防ぐ消臭剤
物件の間取りは1DK。遺品などから高齢者の男性が入居していたと思われる。同連盟は、見積書を作成して正式な依頼を受けた後、「完全消臭」をうたう同連盟のオリジナルの消臭剤を使い、壁材や床材のはり替えを最低限にする清掃を行った。
今回の物件では4人体制で、約3日間をかけ清掃した。1日目には、遺品を整理し、物件の清掃が可能となる状態に整えた。
2日目は、3〜4時間ほどかけて、同社が開発したタンパク質を乳化・分解させるアルカリイオン電解水「モコのラードトル」、腐敗臭を酸化させる消臭殺菌薬剤「ドムスシューカット」を用いた。これらの商品は臭いだけでなく壁材に付いたヤニなどの汚れも浮かせて除去する。
薬剤を吸うとむせてしまうため、ガスマスクを着用した末冨記者
清掃後にオゾンの消臭剤を散布し、3日目には消臭の状態を確認。壁や床の汚れはほとんどなくなり、大規模な壁材や床材のはり替えは不要となった。残置物の撤去も合わせた清掃費用は60万円ほどだった。
清掃3日目。臭いや汚れだけでなくヤニも除いている
今回の特殊清掃を行った全日本花輪式完全消臭連盟の花輪隆俊代表理事は「通常の現場でよく使われるオゾン発生器は、空気中の臭いを除去する能力があるが、壁材や床材に染み付いた臭いを消すことはできない。当連盟が開発した消臭剤は壁材や床材のボードの奥まで浸透するため、完全消臭が可能となる」と話す。
同連盟が消臭にこだわる理由は、汚れや臭いで大規模なリフォームが発生することによるオーナーの負担軽減に寄与したいという思いがあるためだ。
「事故物件になると賃料が相場より下がってしまうため、リフォームの投資金額の回収に時間がかかってしまう。それだけでなく、臭いが残ったままだとリフォーム会社が施工を拒否することがある。オーナーの負担を少なくするためには臭いと汚れを除去することが大切だ」(花輪代表理事)
消臭剤を専用の機材に入れ、壁・床に散布する
同連盟では、オリジナルの消臭剤を用いた特殊清掃に関する専門的な知識と技術の保有者に与える資格「特殊清掃完全消臭士」の養成を目的とした講習会を開催している。今回の特殊清掃は、認定試験と現場講習会を兼ね、代表理事立ち合いの下で行われた。
全日本花輪式完全消臭連盟
青森市
花輪隆俊代表理事
(2025年6月23日4面に掲載)





