売買相談が大幅増加
埼玉県越谷市を拠点に賃貸管理や売買仲介を手がけるマルヨシは、社員の資格取得支援を強化している。宅地建物取引士(宅建士)やファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得を積極的に後押しする。オーナーへの提案力強化が目的で、すでに売買事業などで大きな成果を上げている。
宅建士試験の受験者には、資格保有者が講師となる早朝勉強会を実施。教材や模擬試験を会社が用意するほか、朝食も支給するなど、学習を継続しやすい環境を整えている。こうした支援の目的は、会社全体でオーナーへの提案力を高めることだ。資産管理部の山﨑脩斗課長は「資格は単なる肩書ではなく、オーナーに安心して相談してもらうための信頼の証しだ」と話す。
この取り組みの結果、現在は約50人の社員うち3分の2以上が宅建士資格を保有し、FP2級の資格を12人が取得。さらにCPM(米国公認不動産経営管理士)は8人、CCIM(米国不動産投資顧問)は2人が取得している。資格取得支援を強化した背景には、オーナーからの資産管理の相談内容が複雑化していることがあるという。従来はリフォームや修繕提案が中心だったが、現在は「建て替え」「売却」「改修」の三つの選択肢を比較しながら提案する方針へ転換。オーナーに対して確定申告や相続、節税などの知識も共有し、オーナーの資産全体を見据えた提案ができる体制づくりを進めている。
資産管理部では、管理オーナーとの日常的なコミュニケーションを通じて、売却ニーズを掘り起こす取り組みを強化。月次報告や訪問時の会話から「売却したい」「他社から査定を受けている」といった相談を拾い上げ、売買提案につなげている。管理担当が窓口となり、相談内容に応じて担当者が変わるのではなく、1人が総合的に対応する体制としていることも特徴だ。
実際にその成果は数値に表れている。資産管理部の売買関連の粗利は、2024年の約100万円から2025年は約2500万円、26年7月期は約6300万円と大きく拡大している。既存オーナーからの売買相談が定着したことに加え、入居者がいる状態や老朽化した物件であっても、現況のまま自社で買い取る提案を始めたことがある。この積極的なアプローチが、相談件数の増加を後押しした。
今後は売却支援だけでなく、土地活用や資産の組み換え提案にも注力し、オーナーの資産形成を総合的に支援する方針だ。
(2026年9月21日3面に掲載)





