生協などとの連携拡大
2万3000棟に導入
スマートロックを開発・提供するライナフ(東京都文京区)が「スマート置き配」を軸とした入居者向けサービスの拡充を進めている。オートロック付きマンションでも玄関前への配達を可能にする仕組みを生かし、すでに宅配便だけでなく、食品や日用品など暮らしに密着したサービスとの連携を展開。今後は連携する事業者やサービスの幅を広げ、マンションと多様な生活サービスをつなぐ基盤として発展させていく考えだ。
その基盤となるのが、共用エントランス向けIoT機器「NinjaEntrance」だ。既存のオートロックに専用機器を接続することで、スマートフォンによる解錠や遠隔解錠などの機能を追加できる。大規模な工事は不要で、既存物件にも後付けが可能。
同機器は全国約2万3000棟に導入されている。賃貸物件が約8割を占め、導入の大半は既存物件だ。
「スマート置き配」は、このNinjaEntranceを活用したサービスの一つだ。共用エントランスの鍵をデジタル化し、連携する約40社の宅配サービス事業者の権限が付与された配達員だけが、専用のウェブアプリから一時的にオートロックを解錠できる。配達員は入居者が不在でも館内に入り、指定された住戸の玄関前まで荷物を届ける。解錠・入館履歴も記録することでセキュリティーを確保する。
連携先は宅配便にとどまらない。例えばアスクルが運営する「LOHACO(ロハコ)」のほか、生活協同組合パルシステム東京、東京ヤクルト販売などとも連携。食品や日用品など、暮らしに密着したサービスの配送を可能にしている。
ライナフの滝沢潔社長は「スマート置き配により多様なサービスが使えるようになることで、物件価値が向上することを目指している」と話す。
管理会社にも還元
モデルケースとなるのが、生活協同組合コープさっぽろとの取り組みだ。賃貸住宅の新規入居者に対し、コープさっぽろがトイレットペーパーやティッシュなど新生活で必要となる商品を無料で届ける「新生活応援セット」を提供している。入居者には生活用品を受け取れるメリットがあり、生協側は新規組合員との接点をつくることができる。さらに管理会社にも、一定の収益が還元される仕組みとした。
北海道では複数の管理会社が参加し、実証実験を経て本格展開へ移行した。現在はスマート置き配の導入物件に限定せず、オートロック設備のない物件も対象としている。生協利用者の拡大が、将来的なスマート置き配の導入につながる循環も期待する。
ライナフ
滝沢潔社長
(2026年9月21日11面に掲載)





