管理戸数2348戸のテスク(北海道札幌市)は、6月末時点の入居率が96.2%だった。このうち、自社施工物件の入居率は97.2%。20〜22年度の全体の平均入居率は、93%で推移した。建築事業を主力とする同社は、入居者のニーズに合わせた物件を供給している。丹英司社長は「ここ3年間は、ファミリー向けの3LDKの建築に注力した」と話し、コロナ下における住環境のニーズの変化に対応したことが入居率向上に寄与したと分析する。
コロナ下のニーズ変化に対応
同社は、管理戸数のうち83%が自社施工物件だ。1棟15戸前後のRC造をメインで取り扱う。
3LDK物件のニーズの高まりは、コロナ下で浸透した在宅勤務に伴う仕事部屋の需要や、地価および資材高騰の影響で価格が高騰する分譲マンションの顧客層が賃貸住宅へ流入している影響があると同社はみる。
コロナ前では、引き渡し前に満室にならなかったという札幌市内の中央区以外の物件が、3LDKで建築したところ、満室での引き渡しとなった例もあるという。
他社施工の管理物件では空室対策として、設備交換や導入の提案をオーナーに行う。
全従業員45人のうち、管理業務には札幌本社と函館支店で計13人を配置し、管理物件の担当はエリア担当制を敷く。物件の巡回を担当する維持管理課の8人が、月1回の巡回で設備に異常がないかを点検する。
巡回時に撮影した物件写真を基に、建築部門のスタッフに修繕や設備交換の必要性についてアドバイスをもらいながら、管理担当者がオーナーに物件の価値向上のための提案を行っている。管理受託物件は、築年数が経過している物件が多いため、建物外装や屋上防水の提案が多い。加えて、エアコンや、単身者向けに無料インターネットの導入提案を進めている。
テスク
北海道札幌市
丹英司社長(54)
(2023年8月14日4面に掲載)