創業10年目を迎えたLAND MARK(愛媛県新居浜市)は、他社が手を出しにくい分野に取り組むことで業績を伸ばす。築古物件の再生と美容モールの建築を通じて、オーナーの投資の選択肢における拡大と、商圏の活性化を目指す。
家賃1.5倍、半年で満室化
売上前期比1.7倍
同社は築古物件の再生を強みに管理戸数を増やしてきた。
リフォーム・建築事業を主軸に、賃貸管理・仲介事業や美容モール事業、飲食事業などを幅広く展開する。商圏は愛媛県新居浜市を中心に同県四国中央市と西条市。
9期目にあたる2026年6月期の売上高は約3億8600万円を見込む。前期比で約1.7倍になる計画だ。内訳は52%が建築・リフォーム・修繕事業。買い取り再販など売買事業が36%、賃貸管理・仲介事業が8%、4%が賃料収入だ。25年末に建設業許可を取得し、建築事業を本格的に始めことが売り上げ伸長に大きく寄与した。
同社は17年に買い取り再販事業と賃貸・売買仲介事業からスタートし、18年には賃貸管理事業も開始。26年5月8日時点で賃貸住宅を357戸、事業用不動産を95戸管理する。年間の賃貸仲介件数は100件超。建築事業は実需用が中心だが、アパートや倉庫の新築を請け負うこともあるという。
同社が得意とするのが築古物件の再生だ。管理物件の75%をRC造が占めているが、築50〜60年のものがメインとなる。築古であるために空室が多く、中には全戸が空室の物件もあるが、これらを再生し、満室にすることで管理戸数を増やしてきた。
再生にかかる費用は1棟あたり1000万〜5000万円。外壁や配管の修繕のほか、水回り設備の交換を含めた内装工事も行う。同社がポイントとするのは、あえて間取りを変えずにリノベーションする点だ。
管理物件の約半数を占めるのがファミリー向け物件だが、DKの物件をLDKに間取り変更することで、家賃を上げやすくなる。一方で、部屋数が減ってしまうことにより、子どもがいるファミリーには選ばれにくくなる場合があるという。そこで、あえてDKのままで間取りを変更しないことで、市場でも希少価値のある部屋数の多いリノベ物件としてリーシングしやすくしている。その結果、再生前は4万円台だった家賃を、駐車場代込みで6万円台までに上げられているという。平均入居率は95%。
菊池将徳社長は「躯体が100年持つ想定でRC造を建てたものの、築年数が経過しオーナーが空室に困っていることに着目した。リノベすることで家賃を上げつつ、半年程度で満室にできている」と話す。
こうした取り組みが口コミで広まり、管理を委託するオーナーが徐々に増加。5月8日時点で20人超だが、地主と法人が半々だ。
美容モール開発
同社が現在力を入れるのが、21年から始めた美容モール事業だ。
美容モールとは美容室やネイルサロン、ヘッドスパ、耳つぼサロンなど美容関係の店舗を1カ所にまとめたもの。同社が経営するカフェも併設しており、顧客のモールでの複数店舗の利用を狙う。
美容モールは平屋で8〜10店舗規模のものを、新居浜市と四国中央市に2拠点展開している。1拠点は自社保有、もう1拠点は同社に賃貸住宅の管理を委託するオーナーが保有するものだ。
同事業に力を入れる理由は大きく分けて二つある。
一つ目はオーナーの投資の選択肢を広げるためだ。
商圏では賃貸住宅が供給過多になりつつあり、賃貸住宅を新築するにはリスクがある。物件が古くなった時の修繕コストもかかりやすい。一方で商業用店舗であれば、オーナーが修繕しなければならない設備は建物そのものと、排水管や配線などの基本的な設備のみで済む。入居者が自身で内装工事をするので、入退去時のオーナーの負担が少ない。
二つ目は個人事業主の開業を支援することによるまちづくりだ。
美容関係の店舗には、専業だけでなく、子育てを終えた女性らが楽しみを持ちながら仕事をしたいという需要がある。そこで同社は、内装工事の初期投資を抑えて開業できる物件づくりを心がけている。例えば美容系の場合は必ず水道設備が必要となるが、排水設備は使いやすい位置にあらかじめ造っておく。後からの工事による移動を不要にすることで内装コストを低く抑えられる。銀行とのやりとりなどもサポートし開業を支援する。
1戸あたり5〜6坪で、賃料は7万〜8万円。商圏は車社会のため、アクセスの良いロードサイドの立地で、土地代が2500万〜3000万円、建築費は4500万〜5000万円だ。土地は同社で売買仲介し、表面利回りは11%。サブリースの場合は7〜8%。平均入居率は78%。
「当社では、商売で街を明るくすることを目標にしている。そのために開業する人を増やしたい」
テレビ番組を開始
26年4月には、美容系の店舗を紹介するテレビ番組「美活ジャーニー」を地元のケーブルテレビでスタート。番組を通じて美容モールの利用者と入居者双方の集客にも取り組む。
番組内では毎回2店舗を紹介し、取り上げる店舗は美容モールに入っている店舗に限らない。店舗間の横のつながりを生かしたモールへの出店者の紹介や、モール内での従業員の独立・開業を狙う。番組の制作費は内装工事の事業者にスポンサーに入ってもらい、美容モールなどで工事が発生した際にはスポンサー企業に依頼する。
「商圏では賃貸住宅の空室が目立つ。地域全体を盛り上げることで、自治体の力を底上げしていきたい」
26年からは大阪府の美容系ショップのフランチャイズチェーン(FC)と提携。全国で美容モールの自社運営を推進していく。27年6月期には美容モールを4拠点に増やし、売上高5億円超に成長する見込みだ。
LAND MARK
菊池将徳社長
(野中)
(2026年6月8日20面に掲載)





