築38年のビル再生し収益改善
築年数を重ねたオフィスビルの競争力を、いかに高めるか。内装や家具をあらかじめ整えた「セットアップオフィス」が、その一つの手法として注目されている。築古ビルの再生を手がけるLOOPLACE(東京都千代田区)は、物件の取得から設計・施工、賃貸・売却までを一体で展開。独自ブランド「gran+」では、建物の魅力を引き出す空間づくりによって収益性の向上につなげてきた。同社の飯田泰敬社長に、足元の需要や再生事業の考え方を聞いた。
「既存の場を、 おもしろくする」
内装付きは合理的
同社は、〝既存の場を、おもしろくする〞をビジョンに掲げ、セットアップオフィスなど築古ビルの再生・価値向上で実績を上げている。セットアップオフィスとは、内装や家具をあらかじめ整えた状態で提供するオフィスのこと。入居企業はすぐに使い始めることができるのが特長だ。
近年、この「すぐに使えるオフィス」へのニーズは確実に高まっている。背景には、企業の成長スピードの変化や働き方の多様化がある。同社の飯田社長は「出来上がっているオフィスは手間も時間も大きく省けるので、企業にとっては合理的だ」と話す。同社のセットアップオフィスブランド、gran+シリーズの事例の一つとなる「gran +ASAKUSABASHI - Ⅲ」は、築38年の5階建てビルをフルリノベーションし、一棟貸しのセットアップオフィスとして再生した。
全開放タイプのドアを採用し、広い間口を確保した(gran+ ASAKUSABASHI-Ⅲ)
建物が立つ東京都台東区・柳橋エリアは、古くから繊維業や工芸品を中心とする問屋街としての役割を果たした場所だ。今回のリノベは「柳橋商場」をコンセプトに、一棟貸しならではの自社ビルのような使い勝手を実現した。
建物は2面道路の角地に立地する。1階は開口部を大きく設けて屋内外が緩やかにつながる空間とし、ショールームや物販店舗、カフェ、商品保管、オープンラウンジなど、多様な用途に対応できる設計とした。
4階には来客対応やミーティング、社員用ラウンジとしての利用を想定したセットアップラウンジを用意。会議室や個室ブースのほか、オープンカウンターや大テーブルなどを完備している。





