2日間で1万7143人が来場【賃貸住宅フェア2026東京 開催レポート】
その他|2026年09月08日
全国賃貸住宅新聞社は7月29日・30日の2日間、賃貸住宅業界向けイベント「賃貸住宅フェア2026東京」を「東京ビッグサイト」にて開催した。グループ主催の「リフォーム産業フェア」との相互来場を含む来場者数は、2日間合計で1万7143人に上り、過去4年間で最多のにぎわいを見せた。会場には234社のブースが並んだ。
過去4年で最多、234の企業出展も
非住宅の情報収集 ホテル設備に興味
北海道札幌市を商圏に建設事業を展開し、グループで建設から賃貸管理まで担うオリエント建設の中村徹郎社長は、ホテル向け設備などのブースに目を向けたという。自社でもホテル運営を開始しており、キャリーバッグ用ロック設備やセルフチェックイン機などを中心に説明を聞いた。中村社長は「賃貸住宅を中心としながら、トランクルームやホテルといった非住宅領域まで展示テーマが広がっており、非常に勉強になった」とコメントした。
加えて、業界全体の課題として人材の採用・育成を挙げる。「単に人を採用するだけでなく、いかに育成して定着させるかが課題だ」と中村社長は話す。人材の採用・育成についても、ブースやセミナーからヒントを得たい考えだ。
オリエント建設
中村徹郎社長
ネットワーク作り 広報活動を強化
家具家電付き賃貸やシェアハウスなど中心に約3000戸を管理するクロスハウスの髙橋愛執行役員の来場目的は大きく2つだ。1つ目は他社との名刺交換・ネットワーク作り。2つ目は管理戸数増加のためにセミナー内容を自社の管理へ活かすと共に、今後自社でもセミナーに登壇するイメージを掴むためだという。
今回の賃貸住宅フェアで特に関心を引いたのは「AI×空き家活用」の事例紹介だ。社会問題化している空き家に対するソリューション提供と、新規オーナー獲得のアプローチ手法を現在の重点課題としていることから、新しい取り組みに興味があるという。
髙橋執行役員は「今後はオーナー向けにイベント出展も視野に入れ、自社の言葉やノウハウを直接届ける広報活動を強化していきたい」とコメントした。
クロスハウス
髙橋愛執行役員
不動産運用学ぶ 自社で民泊検討
静岡市を中心に、不動産の売買・仲介や自社保有物件の運用を行う葵エステートの宮城島太司社長は、セミナーは大変参考になったという。不動産オーナー沢孝史氏のセミナー「不動産投資30年超のベテラン家主が語る資産性を考えた不動産運用」のセミナー聴講を目的に来場。「賃貸住宅フェアは個別に資料請求や問い合わせをするよりも、会場でセミナーの受講からブースの訪問・名刺交換まで一度に行えることが大きなメリット」と宮城島社長は語る。
フェア全体を通して、民泊事業に関連する補助金の情報や、運営のノウハウを得ることもできたという。「今後、保有物件から得られる収益などを活用し、400万〜500万円程度の投資規模で民泊事業への参入を検討している」(宮城島社長)
そのほかにも、保有物件のリフォームに向けた新しい建材の発見や、「漫画リビング」のようなユニークな空間活用のアイデアにも関心を示した。
葵エステート
宮城島太司社長
最新商材、インプット 空室対策提案に
鹿児島県を中心に不動産管理・仲介を行うライフネッツの原口篤社長は、オーナーへ提案する最新の商材を探すために来場したという。原口社長は「以前来場した際にも新しい商材やアイデアを持ち帰った。オーナーへ提案し、実際に成約へつなげている」と話す。
同社は、直近の1〜2年は、入居率の改善をしたいオーナーから「既存の管理会社から変更したい」という相談・管理替えが増加しているという。こうしたオーナーのニーズに応えるため、「インターネット上の情報だけでは得られない、対面での情報収集での空室対策ノウハウを求めている」と原口社長はコメントした。
ライフネッツ
原口篤社長
総勢10人で参加 受電業務にAIを
新潟県長岡市を中心に約2600戸の物件管理や売買仲介を行うドアーズの梅澤聡社長は、社員と共に来場した。
従業員26人のうち、フェアへの参加を希望する社員8人と役員1人が参加。宿泊代や交通費などは同社が負担した。
10年以上前からフェアに足を運んでおり、今回は業務改善や売り上げ向上につながる施策を求めて来場した。
同社が特に関心を寄せるのが、受電業務へのAI導入だ。不動産業界全体で人材採用が難しくなる中、カスタマーハラスメントへの対応を含め、人手に頼っている受電業務をAIに置き換えていきたいという。
現場の社員に最新の業務支援ツールを直接体験してもらうことで、効率化への気づきを得る場としてフェアを活用する狙いがある。
「社員が楽に働けると、自分も楽になり、みんなが楽になる」と梅澤社長は話す。
ドアーズ
梅澤聡社長
マンスリーに注目 賃貸の転用を模索
鹿児島県霧島市を中心に賃貸仲介・管理を行うロータスホームの内田幸喜社長は、賃貸住宅フェアに毎年来場している。「定期的に新しいサービスがリリースされるのを見るのが楽しい」と語り、今回も業界の最新トレンドや新サービスの情報収集を目的に訪れた。
当日は人口減少対策や新たな土地活用、高齢者対応などに関する情報に注目。ステラーフォースの有村政高CEOによるセミナー「依頼室数1万室運営会社が語る、マンスリー市場の商機と課題」などを聴講した。
内田社長は「賃貸物件の民泊やマンスリーへの転用にチャレンジしたい」と述べ、今後の事業展開に意欲を示した。会場では具体的な打ち合わせを数社と行うなど、今後の事業展開につながる接点も得たという。
ロータスホーム
内田幸喜社長
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トレンドを掴む 「空き家」に関心
神奈川県・横浜エリアを中心に約50戸を管理する内田清三オーナーは、毎年フェアに来場しているという。定期的に訪れて新商品やトレンドを把握し、所有物件に活用するための調査が目的だ。内田オーナーは「定点観測的に訪れている。同時開催のリフォーム産業フェアでは新しい建材を知ることができるので、リフォームや物件の改善にも利用していきたい」と話す。
過去にもセミナーを聴講したことから、今回のフェアでの空き家活用サミットで行われた旧三福不動産の山居是文代表のセミナー「小田原市で120軒超の開業を支援地場不動産会社による〝路地裏開発〞の手法」を聴講することも今回の来場理由のひとつだという。
内田オーナーは「現在は空室の解消が最優先。猫の飼育に特化した専用賃貸や、菓子製造に使える専用工房スペースの提供などさまざまなアイデアを検討している」とコメントし、フェアでヒントを得たいと語った。
内田清三オーナー
設備知識を取得 仲間との交流も
静岡市を中心に59戸を所有する松永直樹オーナーは、最新設備の情報収集を目的に来場した。不動産業界では人手不足が深刻化し、管理会社の社員1人あたりの担当戸数が増加している。
松永オーナーは「管理会社の担当者の負担が増える中、自分の物件を優先的に対応してもらえるようにしたい。そのために最新設備などを学んで知識を身に付け、選ばれる存在になる必要がある」と語った。
また、来場理由はブースの見学やセミナーの聴講にとどまらない。オーナー仲間に直接会えることも、来場する大きな理由の一つだ。
SNSを通じてオーナー仲間の近況を日々目にしているため、久しぶりという感覚はないという。それでも「直接顔を合わせて話せることがうれしい」と松永オーナーは話した。
松永直樹オーナー
(2026年9月7日10・11面に掲載)





