検索サイト大手のGoogle(グーグル、東京都港区)が、賃貸業界向けに、検索結果に連動する自社広告システム「グーグルアドワーズ」の提案を強化している。アドワーズは、ユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果の上、もしくは右に表示される広告のこと。賃貸業界の場合、広告出稿のために設定するキーワードは「エリア(渋谷、横浜など) 賃貸」などに集中することが多い。人気キーワードは入札価格が高騰するため、大手が効果を上げると思われがちだ。
「実は、キーワードの工夫次第で中小企業が大手と肩を並べることができるのがアドワーズの強みです。当社では、時期やトレンドを分析し、もっともコストパフォーマンスの高いキーワード設定を提案しています」
こう話すのは、同社第一広告営業本部不動産業界担当・白石智良統括部長だ。外国人観光客向けゲストハウスを運営するサクラハウス(東京都新宿区)の場合、「日本 長期滞在」といったキーワードで英語、韓国語など10カ国語に対応して広告を出稿。問い合わせはすぐに増加したという。
「会社によっては『賃貸』に加えて『海が見える』『耐震』といったキーワードも設定して効果を発揮しています」(白石統括部長)。こうした細分化したキーワードは、同社独自の市場分析、ユーザーの動向分析などによってアドバイスする。
「賃貸関連で2月にもっとも検索が多かったキーワードは『ルームシェア』。進学、就職する人で、ルームシェア検討者が増えているという動向が読み取れます」(白石統括部長)
最近ではスマートフォンからグーグル検索を利用する人もいるため、スマートフォンに対応した広告出稿も提案している。スマートフォン対応の自社サイトをつくり、サイトまで誘導することを推奨している。
例えば、GPS機能を活用してユーザーが「今いる地点に近い物件」を検索することもあるため、エリアを絞って広告を出稿することも効果的だ。また、スマートフォンでは問い合わせの入力に負担がかかるといった難点があるため、「Click--to--Call(クリックトゥコール)」という機能も設定することができる。
「ワンタッチで即時電話問い合わせができるので、ユーザーにとって余計なストレスがかかりません」(白石統括部長)
これらはフォーマット化されており、出稿する会社側が選択可能だ。また、新規でアドワーズを活用する広告主や一定規模の出稿者は直接サポートを受けることもできる。
一方、オンライン上のツールも充実している。例えば同社ではキーワードがどの程度検索されているか、増加しているかなどを分析するための無料のツール「Insights for Search」「Googleトレンド」も公開。
「これらのツールを使うことで、どれくらいの人が出稿キーワードに反応するのか、また、マッチしているかなど、自社で分析することができます」(白石統括部長)