本記事では、管理戸数6000〜2万戸程度の賃貸管理会社5社の管理解約防止策を紹介する。管理戸数を拡大していくためには新規受託を増やすだけでなく、既存契約の解約をいかに防ぐかもポイントとなる。特に管理解約の要因として、物件売却を挙げる会社が約半数を占める。一方、自社から戦略的に管理契約見直しを行い、オーナーと運営方針の合致を図る会社も見受けられた。
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福徳不動産、家主満足度を重視
自社付けを強化
長崎県で1万9723戸を管理する福徳不動産は、77位につけた。年間1000戸弱のペースで管理を拡大している。2025年度の受託戸数は、新規獲得1640戸に対し解約749戸となり、年間純増891戸を達成した。解約率は約3%だ。
管理戸数増加の主な要因は新築物件の受託だ。25年に獲得した1640戸のうち、649戸が新築物件だった。既存オーナーの建て替え物件や同社による開発物件の受託が全体の約3割を占める。
解約戸数の内訳は、ほとんどが戦略的な管理の整理だ。入居促進や資産価値維持に向けたリフォームなどの提案には注力しているが、長期的な協議を重ねても運用方針の合致が難しい場合には管理契約を見直すケースもある。解約抑制につながるのは、日々の適切な管理と実務を通じたオーナーの満足度向上だとする。
同社がオーナー満足度向上のため重視するのは、リーシングだ。特に自社付けを強化しており、自社物件の仲介比率は長崎エリアで95%以上、管理物件の自社付け率も約7割を維持する。さらに25年ごろからはインフレ局面における収益性向上策として、賃料や共益費の増額提案を強化している。既存物件の退去時や契約更新時には、1000〜2000円程度の賃料改定を実施するという。
さらに現場の業務効率化に向けて、DX戦略も推進。「Salesforce」などの顧客管理システムを活用して、賃貸管理部門の生産性向上を狙う。入居者とオーナーへのサービス水準を高める体制を整える。
社長室の野口亨室長は「解約防止を目的にするのではなく、高い入居率と質の高いサービスを提供した結果、オーナー満足度が上がり、解約抑制につながると考えている。賃料増額などの適切な提案を行い、商圏の適正な賃料設定をけん引していく」と語った。
ライフサポート、グループ力活用
資産相談を集約
愛知県を中心に1万6249戸を管理するライフサポートは、87位だ。今期は686戸を増加させるなど管理受託を伸ばす一方、既存オーナーとの関係維持にも注力する。年間の解約戸数は343戸で、解約率は2%。
解約の主な理由は売却や空室だ。売却後に新たなオーナーが別の管理会社へ管理を移すケースもある。このため、資産に関する相談を自社グループへ集約する取り組みも進めている。
同社では、オーナーから売買の相談を受けた際、グループ内の売買会社と連携し、売却案件をグループ内で対応する。これにより売却後、新たなオーナーから管理を継続できる可能性を高める。既存のオーナーに対しては、管理だけでなく売買も手がけるグループであることを送金明細へのチラシ同封などで周知。サブリース契約の拡大にも力を入れる。
2024年8月にはサブリース事業部を設置し、専門の人材が営業を担当する。同事業部ではマンスリー事業も手がけており、空室物件を活用した収益化にも取り組む。森英治社長は「サブリースは借地借家法に基づき、管理契約の解約が起きにくく、管理戸数を安定的に確保できる点がメリットだ」と話す。今後は、現在1割未満にとどまるサブリース契約の割合を高め、管理基盤の安定化につなげる考えだ。
売買や相続、空室対策など、オーナーの相談に特化した専門部署の設置も予定する。専門部署を設けることで、担当者が拾いきれないオーナーのニーズを把握。オーナーとの接点を増やし、長期的な関係構築と管理戸数のさらなる拡大を目指す。
ライフサポート
森英治社長





