高齢者向け総合サービスを展開する学研ココファンホールディングス(東京都品川区)は、サービス付き高齢者向け住宅の出店加速に向け、日本初となる年金ファンドを活用した、サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ付き)の不動産流動化を実施する予定だ。
不動産流動化のスキームは、まず、同社がサ付きを企画・開発して、土地・建物を保有する。同社が運営会社として、開設し、1年程度を目安に安定稼働化を図る。その後、年金ファンドへ土地・建物を売却。同社が運営会社として、年金ファンドより建物を一括して賃借し、引き続き運営するという流れだ。今回売却する年金ファンドはS・W・D・アセットファイナンス(東京都千代田区)が運営するファンドだという。第一号として、同社が運営する「ココファンあすみが丘」が流動化対象予定。同物件は、千葉県千葉市に立つ全92室で、2010年11月に開設したRC造6階建て。
同社では、同スキームが確立することで、サ付きが年金ファンドの安定的な利回りの期待できる投資先となるとともに、サ付きのより積極的かつ多様な開発が可能となると考えている。「これまでリートやファンドが投資対象とする高齢者住宅は富裕層向けの高額物件がほとんどでした。それはリスクが高いという判断から高い利回りが求められたからです。今回の売却では、ミドル層を対象とする当社の事業モデルの安定性が評価されました」(小早川仁社長)。