管理会社との連携も視野
高齢者向け住宅の企画などを行う学研ココファン(東京都品川区)は4月から、同社の運営する100拠点以上のサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)で、地域に住む自立した高齢者向けのサービスを始動した。
配食と認知症予防プログラムの2サービスを提供する。
配食サービスでは、物件から半径3km圏内の高齢者に、1食594円(税込み)で夕食を届ける。
メニューは日替わりで管理栄養士が献立を考案した健康的な内容になっている。
賃貸住宅に入居する高齢者の見守りサービスとして、地元の管理会社と提携していく可能性もあるという。
認知症を防ぐ『学研大人の教室』は、サ高住の共有スペースを活用し、体操や作画など90分間かけて脳と体を動かし認知症の発症を抑えるプログラムを提供する。
今回の新サービスは、同社の目指す『学研版地域包括ケア』推進の一環だ。
学研グループとして、0歳から100歳までを対象とした生活支援や教育事業を行う。
同社はこれまで、介護を必要とするシニア層向けに住宅の開発や、介護サービスを提供してきた。
新サービスにおいて、アクティブシニアをターゲットに、介護なしで生活を続けられるような環境づくりを進めていく。
サ高住を入居者にとどまらず、地域住民にとって価値のある存在としてさまざまな役割を持たせる。
五郎丸徹社長は「現在自立して単身で暮らしている高齢者でも、低栄養の食事を続けることで骨折しやすくなったり、室内に引きこもっているうちに体力が衰えていくことがある。1食でも栄養のある食事をとり、サ高住に足を運んでもらう機会を作ることで介護いらずの暮らしができるようにしていきたい」と語った。