オンザパーク、公園の中にいるような賃貸住宅

苅部寛子建築設計事務所

物件紹介|2020年03月08日

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LDの奥左側に玄関。写真手前右側が「個室1」。窓からは、各住戸から見えるように植えられた樹木。LDと「個室1」の間には、間仕切りがある

 『オンザパーク』は横浜市にある田原橋公園に隣接する、木造2階建ての賃貸住宅だ。公園の横にあるが、建物周辺には解体車集積場が多く見られる。3棟構成で緑が楽しめる間取りが好評で、空室が出てもすぐに次の入居者が決まる人気物件である。

部屋の向きを変え、見える景色に配慮 ベランダなくし、全戸浴室乾燥機を採用

 『オンザパーク』は3棟に分かれ、各棟は2階部分の外廊下でつながる。

 「公園の中にいるような賃貸住宅にしたかった」と設計を担当した苅部寛子建築設計事務所の苅部寛子代表。

 103号室と203号室は、LD(リビング・ダイニング)を公園側に、個室を反対側に配置。それ以外の住戸は個室を公園側に、LDを反対側に配置した。公園側に緑を存分に感じられるようにし、反対側にも部屋を設けることで、一方の部屋と違う景色が楽しめることと光や風の入りやすさを考慮した。

庭窓からの景色に癒やされる室内

庭窓からの景色に癒やされる室内

 間取りは1LDKと2LDK。オーナーから「選べる要素があったほうがいい」と希望があったため、個室に浴室を設けたプランをはじめ、オープンタイプやセミクローズタイプのキッチンを採用した。キッチンは既製品を使わずオーダーとし、床とキッチンとの間に空間のあるデザインが特徴的だ。足元がすっきりとしているためLDが広く感じる。

 玄関の一部の壁には、壁紙などを貼らずに構造上必要な木材をそのまま見えるように活用し、靴入れや小物用の収納などを設けた。

玄関の靴入れ、その横がトイレ、奥が小物用収納。手前の部屋が「個室2」

玄関の靴入れ、その横がトイレ、奥が小物用収納。手前の部屋が「個室2」

 住戸の床には目地のない天然素材の床材「リノリウム」を使用。目地がないことで空間を面で見ることができ、広く感じやすい。ベランダは設けず、各住戸に浴室乾燥機を設置。洗面室には円形の鏡を採用し、浴室前の壁に木を使うことで、温かみを持たせた。

浴室入り口の壁には構造用の木材でぬくもりを演出

浴室入り口の壁には構造用の木材でぬくもりを演出

 各住戸の遮音性にも考慮。2階の床にはアスファルト系遮音マットを採用している。

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