原状回復工事(以下、原復)における、管理会社の業務効率向上の工夫を取材する。今回は、原復業務などを行う専門部署を新設し、施工期間の進捗(しんちょく)管理を効率化した取り組みを紹介。原復費用が高額になる際、オーナーに施工前の住戸を確認してもらい費用負担について解説することで、トラブル防止につなげる事例を取り上げる。
施工期間の短縮目指す
管理戸数1692戸のリブシティ(福島県郡山市)は社内体制を変更し、原復関連業務を含む管理業務専門の部署を新設。分業化したことで、これまで煩雑だった施工期間の進捗管理を簡素化した。さらに原復時に、リノベーション工事の提案も行っていく。
同社は、福島県郡山市を中心に、隣接する須賀川市を商圏とする。管理物件は、同社の本社から車で片道30分圏内ほどの範囲にある。従業員数は24人。そのうち、原復の実務対応をしている「PM事業部」には6人が在籍。同部署は、6月1日に原復を含む管理業の部署として新設された。これまでは部門を設けず、複数業務を全従業員で兼務していた。
2022年4月~23年3月の原復実績は287件。平均施工期間は約2週間となる。1件あたりの工事費用は、単身者向けで約14万5000円。原復工事関連の年間売り上げは4740万円だ。