神奈川県湘南エリア・横浜市を商圏とする富士リアルティ(神奈川藤沢市)は、売買・賃貸仲介事業から大きく方向転換し、建築事業と海外不動産投資に注力。木造の戸建てと収益不動産建築で業績を伸ばし、2023年度の売り上げ13億円のうち、半分近くを建築事業が占めるにまで至った。創業者の永松秀行社長に同社の強みや今後の事業展開を聞いた。
グループ売上30億円 事業譲渡で拡大
―御社の事業概要と売り上げを教えてください。
実需向けの不動産の買い取り再販と売買・賃貸仲介、建築事業、海外不動産投資を行っています。建築事業は、実需向けの住宅やビル、収益不動産と幅広く手がけています。海外不動産投資はカンボジアとタイで行っています。タイは現地法人をバンコクに立ち上げており、カンボジアでは支店を構えています。2023年度の売り上げは12億9300万円でした。買い取り再販事業、売買・賃貸仲介事業と建築事業がそれぞれ約47%、残りはカンボジアでの売買仲介事業で約6%です。
―創業時は、国内の不動産仲介事業からのスタートだったそうですね。
1983年に富士ハウジングの社名で設立しました。95年に宅地建物取引業免許を取得し、売買・賃貸仲介事業を始めました。2017年に社名を富士リアルティに変更。同時に富士ハウジングの社名で新会社を立ち上げました。グループ会社と商圏が重なるので21年から仲介事業はセンチュリー21富士リアルティ サクラス戸塚店(神奈川県横浜市)のみで行い、主力事業を建築とすべくかじを切りました。
―グループ会社ではどんな事業を行っていますか。
持ち株会社のFJグループ(神奈川県藤沢市)として、グループの事業会社の株の保有と自社所有物件の運用を行っています。グループは、海外も含め、全部で9社からなります。同業他社から事業譲渡の依頼を複数受けて、拡大してきました。そのためグループ全体では売買・賃貸仲介が主力事業です。
―グループ全体での売り上げはどれほどですか。
30億1700万円です。ほとんどがセンチュリー21・ジャパン(東京都港区)のフランチャイズチェーン(FC)に加盟して、不動産仲介事業を行っています。そのほか、訪問介護事業を行うFJケア(神奈川県藤沢市)、タイでの不動産売買仲介を行うFuji Realty(Thailand)(フジリアルティ・タイランド:タイ・バンコク)があります。