日本不動産経営協会(JRMA以下、ジャルマ)は、6月11日、12日の2日間にわたり、毎年恒例となった1泊2日の研修会を千葉県長生郡にて開催した。ジャルマは賃貸住宅のオーナーのみで組織される仲間の会。情報交換を求めて、37名の会員が参加した。
初日には、2つのセミナーと懇親会が行われた。第1部では、本紙の吉松こころが「最新の入居者動向と家主の心構え」というタイトルで講演を行った。
第2部では、元刑事で現在、社団法人全国住宅等防犯設備技術適性評価監視機構の代表理事を務める折元洋巳氏が、「防犯のプロが語る賃貸物件の防犯」というテーマで講演した。
2日目は6つの班に分かれてグループディスカッションが行われた。議題は、「東日本大震災の経験を踏まえた今後の災害に備えた対策について」。
班ごとに所有物件の被害状況の報告が行われ、今後に向けた対策が討議された。都内に物件を所有するオーナーが多いため被害はそれほどなかったようだが、今後の対策では、「地震保険の活用」「災害時のマニュアル作り」「避難マップの作成」「自家発電や蓄電といった緊急時用設備の導入」「建物の耐震補強」などの意見が出た。
また、今すぐにできることとして避難通路に物を置かない、水や食料、薬、簡易トイレの備蓄などが挙げられた。
副理事の島田幸紀氏の「ジャルマの精神は"ギブ・アンド・テイク"。実際に自分が体験した話を仲間のオーナーと共有することで、より賃貸経営をうまく進めていければと思います。これからの賃貸経営は情報戦。しかしながら、世間では間違った情報も多く、いかに正しい情報を入手するかが肝。これからも活動を通じて、積極的に情報交換していきましょう」という閉会の挨拶で研修会はしめくくられた。