賃料2万5000円アップ
2015年11月02日 | リノベーション
3戸中2戸が2年以上空室という築45年の木造長屋アパートが、賃料2万5000円以上アップでも入居希望が殺到する人気物件に生まれ変わった。
建築・設計・開発などを手掛けたのは松井亮建築都市設計事務所(東京都中央区)とRバンク(東京都渋谷区)だ。
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東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩7分の立地にあるこの物件を、自転車愛好家をターゲットに改築した。
竣工直後の内装は、自由にDIYできるように意匠用ラーチ合板むき出しのまま完成させた。
板は2枚貼りで強度があり、壁のどこにビス止めをしても安心だ。
各戸ごとに仕切られていた裏庭は共有にし、どの部屋からでも自転車の出入りのできる造りに。
2階に入った光がそのまま1階まで届くよう、2階の床をルーバー状の根太にし、半透明のポリカーボネート樹脂で覆った。
完成後は募集から1カ月以内に全て契約が決まった。
8万1000円だった家賃を10万6000~11万円にして募集を開始。
予想を上回る数の希望者が殺到した。
設定価格が低すぎたと判断し、最後に残った1戸は、さらに6000円の値上げに踏み切ったが、もともとの値段で申し込んでいた入居希望者はそれも受け入れたという。
その後、唯一退去者の出た1戸は、デザインされた内装を戻さずに募集をかけても次の入居者がすぐに決まった。
「大手のポータルサイトでは新築や駅近を求める人が集まるので、ニッチなコンセプト物件や築年数の古いリノベーション物件などの賃貸物件はなかなか入居者が決まりません」(藤田将友社長)。
特徴ある物件を求める人の集まるポータルサイトを選んだこともリーシング戦略成功の秘訣だ。