5カ年中計でインフラ再生エネ事業に1300億円投入
発電事業への参入も視野に
7月24日、売上高1兆円を超えるスーパーゼネコンの一社である清水建設(1803)が「500億円を投じ、大型洋上風力発電建造船を建設する」と発表した。井上和幸社長は「建造船は3年前から温めていた構想だ」とも語り「(清水建設が)発電事業者にもなりうる」と言及した。
周知の通りドイツをはじめとする欧州諸国は、総発電量の3割から4割を再生可能エネルギーで占めている。その主力となっているのが「風力発電」である。無論、一朝一夕にしてなったわけではない。大資本の進出大規模施設建設で「コスト削減」を着実に進めてきた結果だ。再生エネルギーに詳しいアナリストは「スペインのイベルドローラや、洋上風力の首位企業となったデンマークのオーステッド社の貢献が大きい。「日本でも五洋建設やスーパーゼネコンでいえば大林組が既に参入している。そこに清水が発電事業者への道も視野に入れて、まず大型建造船に進出する意義は大きい」。井上社長の発言からも読み取れるように、清水建設の本気度は高い。2019年度にスタートした新5カ年中計では「インフラ・再生可能エネルギー新規事業に1300億円を投じる」とうたっている。