企業研究vol.020 芝田 裕也 社長

取引先1000社超ネットで集客情報公開し京滋エリアで清掃提供

 「起業する」と決め、大学卒業後、すぐにマイジョリティサービスを立ち上げた芝田裕也社長。京都府・滋賀県においてハウスクリーニングや建物清掃をメーンに行っている。このほかインバウンド需要でにぎわう京都において簡易宿所の運営や、ベッドメイキング、害虫駆除を手掛けるなど事業を拡大している。今後の展開について話を聞いた。

情報公開しネットで集客

――大学を卒業してすぐに会社を立ち上げているのですね。

 小学3年生のときに、父親が起業しましたが、子どもながらに憧れと尊敬の念を抱いていました。いつか起業すると夢に見ながら大学生になり、飲食店やぐるなび(東京都千代田区)の新規企画獲得スタッフとして飛び込み営業から集金まで行うなどさまざまなアルバイトをやってきました。どんな業務も人並み以上にこなせたので、就職ではなく起業することを決心しました。当時、たまたま清掃のアルバイトをしていた友人を手伝うことになり、修業をしました。ハウスクリーニングという事業ならあまり初期費用をかけずビジネスができると思い、マイジョリティサービスを立ち上げました。

施工の様子。現場を撮影して記録を残している

――ウェブサイトでの集客が奏功していると聞きました。

 設立からしばらくは手探りでなんとか仕事をもらえていました。しかし安心したのもつかの間、立ち上げから1 年足らずでリーマン・ショックが発生。全くと言っていいほど仕事が取れなくなりました。鳴かず飛ばずでいた2010年、ある人から「ウェブサイトを充実させ、そこから集客したらどうだ」とアドバイスを受けました。当時は今以上に中小の清掃会社がウェブサイトを持つことはほとんどなく、社長が前に出てくること自体ありませんでした。

 そこでイメージキャラクターのごとく、自身を前面に出して、設立の経緯やあいさつ文を入れました。また、清掃代金の相場があるようでなかったため、料金表を作って公開したり、サービス内容が一目瞭然で分かるように写真を掲載して説明文を入れたりしました。すると、管理会社やオーナー、食品工場やメーカー、一般家庭、宗教法人など方々から受注が入り始めました。中には国宝の清掃を行うこともありました。

 現在、売り上げ全体の25%がハウスクリーニングで管理会社やオーナーからの依頼が年々増加し、取引先は1000社を超えました。

――京都で簡易宿所の運営を行っているようですが稼働率など状況はどうですか。

 宿泊施設を貸し出す人と借りたい人のマッチングサイト『Airbnb(エアビーアンドビー)』が黒船のごとく現れた15年、京都府内のマンション1棟をオーナーから転貸し、民泊の運営を行いました。同様に民泊運営している管理会社やオーナーなどからベッドメイキングしてほしいと依頼が急増し、150件対応していました。そのため、一事業として部門を立ち上げることにしました。法整備された現在は、40件ほどの簡易宿所でベッドメイキングを行っています。

 当社では簡易宿所を京都駅前、十条、烏丸などに次々と開業し、最大11棟運営していました。順調でしたがそれらの大半を売却し、18年、二条城近くにある大型の物件を手に入れました。『京都っ子』の名称で、月間200万円収益が発生すると予想。期待をかけオープンしました。しかし想定の3割ほどの売り上げしか出ず、毎月250万円の赤字を出しました。それでも、リカバリーできるだろうと数カ月間、能天気に考えていました。しかし、4500万円あった貯蓄は250万円まで減りました。さらに追い打ちをかけるように、社員、幹部社員の退職が続き、人手不足の上に人件費の高騰などで一気に苦境に陥りました。清掃事業自体は安定しているというものの、このままではショートしてしまうと思い、経営の基本に戻って収入に対して支出が少ないように整理しました。京都ではビジネスホテルが次々と建設され、京町家や新築の一棟貸しも増えていて供給過多になっています。エリアの選定は当然ながら、しっかりとしたコンセプトや運営が非常に重要になっていると痛感しました。

――害虫駆除やハト対策など横展開をしていくそうですね。

 清掃する中で、ゴキブリやネズミの駆除ができないかと以前から依頼がありました。ベッドメイキングを行う簡易宿所においては、海外から持ち込まれたと思われる南京虫をどうにかできないかという相談を多く受けるようになりました。そこで18年、専門会社と提携しました。清掃と同様に賃貸住宅から民泊、工場などで幅広く提供できるよう対応しています。
 また、害虫駆除だけでなく、クロスの張り替えや塗装による施工、カビ落としなどニーズに対応し、横展開できるよう体制を整えていく予定です。

――さまざまなサービスを提供する一方、対応エリアを京滋に絞っていますね。近畿一円や首都圏に進出して規模拡大も検討していますか。

 あくまで、経営の柱は清掃で、自社施工で行っています。大手や幅広いエリアで展開する中堅の清掃会社と対抗しても勝ちようがありません。京都と滋賀という住宅、工場、神社仏閣、あるいはホテル、簡易宿所があるエリアにおいてすぐ対応できるよう特化させています。

2年前の10周年パーティー

――最後に一言お願いします。

 先日、ウェブサイトのリニューアルを行いました。見やすさや検索のしやすさはもちろんですが、サービス内容や料金表示などさらなる細分化を図り、ユーザーからいただいた良い口コミ、悪い評価もすべて公開し、透明性を高めています。さらに現金や振り込み、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、さまざまな方法で支払いができ、各種ポイントがためられるようにするなど利用しやすくしています。「ユーザーの真のニーズとは何か」これを日々探求し、京滋エリアで清掃会社といえばマイジョリティサービスに依頼すれば間違いないといわれるよう努めていきます。

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