9月に集客数が落ち込んだという太子堂不動産(東京都世田谷区)。10月は前月比30%増は見込めそうだという。
最大の要因は、家主に現状を明確に伝え、賃料の見直しと敷金・礼金の変更を行ったことにある。新たに空きが出た物件では、前の入居者が契約した2年前に比べ15―20%賃料を下げざるを得ない状況になっていることを、データに照らし合わせて説明した。
使用した指標は3つ。賃料査定書では借り手側の経済状況をシミュレーションし、購入した場合の住宅ローンを試算、購入と賃貸の分岐点を出し、賃料の平均と上限を示した。賃貸条件比較表では、駅からの距離や築年数、日当たりなどの各条件を40項目に分け、それぞれの平均を100としたときの各物件の位置づけをパーセンテージで表した。
また、条件等が類似したタイプの物件を集め、固定資産税の下がり具合から売買価格を逆算し、賃貸価格を算出するなどした結果、「ここまで細かく査定してくれたのは初めて」と家主の信頼を得ることに成功した。
敷金・礼金についても、共に家賃の2カ月分としていた物件のいくつかは敷金1カ月・礼金なしにするなど、全体の6―7割の物件を変更できた。