0円都市開発、0円空き家の流通サイト

0円都市開発

その他|2023年05月23日

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みんなの0円物件のトップページ

 0円で不動産を譲渡するマッチングサイト「みんなの0円物件」は、掲載後の成約率9割超を誇る。空き家が約1000万戸に到達すると言われる中で、引き取り手のいない土地や空き家などの流通促進を図る。

掲載物件の0割超が成約

 みんなの0円物件を運営するのは、0円都市開発(北海道旭川市)。2019年7月にサイトをオープンし、22年5月〜23年4月の年間のPV(ページビュー)数は、2557万件となった。

 4月30日時点で、これまでに掲載希望の連絡を受けたのは1118件。実際に掲載に至るのはその6割程度。権利関係が曖昧だったり、相続人全員の合意が取れなかった場合には掲載を断るケースもある。掲載した物件では9割以上が成約に至っている。

 掲載物件のうち、建物付きが75%、山林などの土地のみは25%程度で建物付きが多くを占める。居住中の物件はほぼなく、建物付きはほとんどが戸建ての空き家だ。

 掲載を希望するのは相続で不動産を得た人が多い。中村領代表社員は「自分で不動産を購入した場合は『0円で損切り』と気持ちの切り替えがしにくいからではないか」とみている。

 他方、掲載物件への反響は、築古戸建て投資家からが目立つという。

 譲渡契約は個人間で行い、同社はマッチングを支援する。1件の掲載物件に対し、多いときは1週間で300〜400件の問い合わせが入る。平均70〜80件で、中村代表社員は「まったく問い合わせがない物件はほとんどない」と話す。

 掲載プランは「¥0プラン」と「おまかせプラン」の二つ。¥0プランでは、問い合わせへの対応や契約書の作成なども含めて掲載から所有権の移転まで0円で行うことができる。おまかせプランで、は問い合わせや交渉のサポートや契約書のひな型など、コンサルティングサービスを提供する。所有権移転時に16万5000円(税込み)をオーナーが支払う仕組みだ。

 「掲載数が増えることで、事例の蓄積ができる。『売却価格はつかなくても0円なら引き取り手が見つかる』という社会的な認知が広がれば空き家の流通にも寄与できる」(中村代表社員)

0円都市開発 中村領代表社員の写真

0円都市開発
北海道旭川市
中村領代表社員(45)

(2023年5月22日5面に掲載)

おすすめ記事▶『0円都市開発、空き家利用の選択肢増やす』

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