大手管理会社各社が、AI(人工知能)の活用に本腰を入れ始めた。クラスコ・ホールディングス(以下、クラスコHD)は毎朝のミーティングで部門を超えて知見を共有。業務削減につなげる。アーキテクト・ディベロッパー(以下、ADI)は推進部署でサービスを内製化。ビレッジハウス・マネジメントは繁忙期からAIによるメールやチャットボットの返信自動化をスタートした。
クラスコは年間6800万円を削減
327の業務で導入済 部門超え情報共有
石川県を中心に2万2000戸超を管理するクラスコHDは、AIの使い方を社内で共有し、生成AIの活用を加速させる。本格導入から1年間で6860万円相当の費用削減効果を上げた。
同社は、2024年12月に「Google Workspace(以下、GW:グーグルワークスペース)」の有料プランを全社員が契約した。サービス内で使うことができる生成AIの「Gemini(ジェミニ)」で業務効率化に注力する。
生成AIを活用する業務は327件に上る。ポータルサイトへの出稿業務において、間違いなどのチェックに人手を使っていたが、AIで行うようにした。入居申込時の初期費用の計算もAIにより自動計算するようになった。
小村典弘社長は「当事者意識を持たせるよう従業員を巻き込むことが重要」と語る。朝礼の中で、従業員がAIをどのように使っているのかを毎朝、順番に発表。それに加えて、若手を中心としたAI推進担当者が月に1〜2回程度、AIの活用状況や新機能などの情報交換勉強会を実施。業務での使い方をほかのメンバーに伝える。部署をまたいでそれぞれの業務で横展開できるようにしている。
小村社長自身も、経営や事業の考え方などに関して100個ほどのテキストを学習させ、「小村AI」を作成。従業員が社長に聞きたい質問などに対し、小村AIが回答できるようにした。
今後は、部屋探しをする顧客に対して、物件のサイト上でAIエージェントがバーチャルツアーを行うことを構想する。




