入居者アプリ「パレット管理」を提供するパレットクラウド(東京都渋谷区)は1日、生成AI(人工知能)サービスの「Chat(チャット)GPT」を活用した「AI回答サポート」の正式版の提供を開始した。設備の不具合などが起きた際に、入居者から不動産会社への問い合わせに対して、パレット管理上でAIが回答文を作成するサービスである。
入居者対応を省力化
例えば「風呂場の水漏れに対する緊急の修理依頼」に対しては、「お風呂の水漏れについて、至急修理にお伺いいたします。お客さまのお困りの状況を理解し、すぐに対応いたします。修理作業は丁寧に行いますので、ご安心ください。修理日時については、別途ご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」というように回答してくれる。
4月から提供されている同サービスのβ(ベータ)版からの改良点は二つ。一つ目は、入居者からの問い合わせに対して管理会社が作成している回答例を参照し、適切な文章を作成する点。二つ目は、キーワードや要点などの箇条書き程度の文章からでも回答文を作成することができる点だ。
β版においては、パレット管理で得た入居者からの問い合わせデータを基に一般的な回答文の作成を行っていた。正式版ではさらに、管理会社が独自に作成するFAQ(よくある質問)も参照するようになったので、より精度の高い返答が可能になった。
同社の城野公臣社長は「AIの進化によるパラダイムシフトは確実に起こると思われる。今後も不動産会社の課題解決と満足度向上に向け全力で取り組んでいきたい」と話す。導入は無料、AI回答サポートの利用件数に応じて費用がかかる。
(2023年11月27日9面に掲載)