関東・東海で初登場企業が上位
小金井不動産グループ、徹底したロープレ 人材育成を重視
初登場で、関東エリア(東京除く)4位にランクインした小金井不動産グループ(栃木県宇都宮市)は、年間7127件を仲介する。
反響に対する電話・メール対応について店舗単位で毎日ロールプレーイングを実施。反響来店率は前年比1~3ポイント上昇した。
賃貸仲介を祖業とし、2024年12月に設立61年を迎えた同社グループは、母体となる小金井不動産と3社からなる。
賃貸仲介店舗は、宇都宮市を中心に隣接県まで17拠点を展開する。賃貸仲介事業売り上げは、付帯商品などを含め約7億円。従業員数は130人で、営業担当は66人となる。
同社グループは、反響来店率を三つに分けてそれぞれKPI(重要業績評価指標)を設定する。電話反響来店率が85%、電話番号の記載があるポータルサイト反響来店率は40%、同電話番号の記載なしが15%となる。ポータル反響来店率の目標をそれぞれ45%・20%に定め、取り組むのがロープレだ。
小池敏雅社長は「24年に入ってから、店舗ごとに毎日、店長間では月2回、対面やオンラインでロープレを実施している。上長や反響来店率の高いスタッフを講師として、反響に対する電話・メール返信の手法を共有する」と話す。
数値を見える化した環境も整備する。12年には基幹システムを自社で開発した。営業担当者の反響来店率などの数値が、ほぼリアルタイムでシステム上で確認ができる。日ごとの成績優秀者をロープレの講師に任命し、社内でのノウハウ共有に生かす。
「1店舗をオープンするたびに、成約件数を年間500件増やしてきた。比例して従業員数も増加するため、『毎日ロープレを行う』ほど人材育成には注力している」(小池社長)
引き続き、店舗展開を通じて賃貸仲介事業を強化していく。年間仲介件数1万件を目指し、27年には店舗網を完成させる計画だ。
小金井不動産グループ
栃木県宇都宮市
小池敏雅社長(59)
ライフデザインクリエイターズ、繁忙期前に分業化 来店アポ増加
年間成約件数2804件で、東海エリア初登場3位にランクインしたのは、ライフデザインクリエイターズ(静岡県浜松市)だ。反響対応を集約したことで、反響来店率を向上する。
静岡県西部地区を地盤に、自社ブランド「Room's!(ルームズ)賃貸」の賃貸仲介店舗を7店舗展開する。管理戸数は5890戸で、リノベーション事業や売買仲介・買い取り再販、収益物件の企画なども手がける。
同社では24年9月から、今回の繁忙期を見据え、浜松市、磐田市、掛川市の5店舗の反響対応を本社に集約した。メール反響の対応だけでなく、ポータルに掲載する問い合わせ用の電話番号も統一し、電話対応も一括で行うようにした。反響対応は担当者5人で行っている。
村木政之社長は「異なる店舗に同じ顧客からの問い合わせが来ることもあり、担当者は余分に対応時間を要していた。効率化と反響対応のスピードアップ、来店率向上を狙い、分業化を開始した」と話す。
分業化により、反響後の来店アポイント率が大幅に伸長。導入前と比較すると10ポイントアップの4割となった。これにより反響来店率も向上。前年比で6ポイント向上し、34%となっているという。(※同一顧客からの複数反響は母数を1とカウントする)
課題は情報の伝達。反響対応の担当者と、店舗の営業担当者と情報の伝達方法を改善していくという。将来的に、静岡県中部地域の静岡市、藤枝市の2店舗でも反響対応の分業を進める計画だ。
「当社は賃貸事業を軸に展開しているが、今後、賃貸事業一本では難しい。20年ごろから事業の多角化を進め、特に収益物件の買い取り再販と販売後の管理受託に注力している」(村木社長)
ライフデザインクリエイターズ
静岡県浜松市
村木政之社長(51)
(2025年1月6日15面に掲載)