東京都・大阪府などの都市部で、民泊への規制強化が進んでいる。特区民泊の9割が集中する大阪市は、特区民泊の新規受付を終了する予定だ。東京都では23区すべてが条例やガイドラインで規制を行う。1月には東京都荒川区において住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)違反容疑で初の摘発も発生した。規制強化の背景には、近隣住民が民泊への不安や不満を募らせていることがある。
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旅館業法の許可なしに365日営業できる民泊。国家戦略特別区として指定された区域のみで営業が可能。民泊新法で定められた年間180日の営業日数の規制を受けないが、2泊3日以上の最低滞在日数の定めがある。 |
ガイドライン厳格化、摘発も
新規受け付け停止 処分要領策定も
大阪市では、5月29日以降特区民泊の新規認定申請ができなくなる。認定済み特区民泊の居室追加や床面積の増加に関する変更認定申請も、同日で受付終了となる。
大阪市の特区民泊は、2025年12月末時点で7723施設・2万1308室。23年度は施設数が前年比132%、24年度は同140%となった。新型コロナウイルスの流行終息後に大きく伸びてきた。比例して増加したのが、近隣住民からの苦情件数だ。24年度に大阪市に寄せられた特区民泊に関する苦情件数は399件と、23年度の2.3倍となった。さらに25年度の苦情件数は12月末時点で469件に上る。
苦情の大幅な増加を受けて大阪市は25年7月、市長や市の経済戦略局、健康局などをメンバーとして、民泊に関する問題点やその解決策についての会議を開始。同年9月に特区民泊の新規受付終了を決定した。
同会議では、25年11月に既存民泊の適正化に取り組むために処分要領を策定。加えて民泊に対する監視指導を行う「大阪違法民泊撲滅チーム」が発足している。大阪市経済戦略局観光部観光課の横山智一観光施策担当課長は「民泊は住宅と違い、多くの観光客が代わる代わる滞在するため、宿泊マナーの徹底が難しい面もある。民泊が住宅街に溶け込むには、さまざまな課題があると感じている」と話す。




