実務経験者が開発、120店舗導入
グラング(愛知県名古屋市)は、賃貸仲介業向けに業務支援システム「グラングコア」を提供している。同社はグループ会社が仲介店を運営しており、現場の課題を熟知した人材が開発に携わっているのが特徴だ。
同システムは、業務の効率化や生産性向上を目的としている。物件や顧客、反響の管理、電子契約など、賃貸仲介業務に必要な機能が一つのプラットフォームで完結するため、業務の効率化とコスト削減が見込める。売り上げや反響数などの業績データをリアルタイムでグラフ化し、店舗やスタッフごとの実績を可視化できる機能も持つ。
滋賀県全域を商圏に、賃貸仲介店舗10店を運営するエム・ジェイホーム(滋賀県長浜市)は、グラングコアを2023年より順次導入。24年繁忙期の反響来店率は107%、25年は110%となった。ポータルサイトに掲載している情報から反響があった顧客に対する追客メールシステムが、反響来店率の向上につながったという。
同社の小山田泰宏取締役は「顧客接点を持った初期段階から顧客データを管理できるのがメリット。成約した顧客だけでなく、非成約の顧客データも収集可能なため、営業スタッフ個人の得意な顧客の年代や性別といった属性をデータ分析することができる。得手不得手に合わせて人事を考えることも可能となってくる」と話す。
グラングコアは5月末時点で、120店舗以上で導入されている。グラングは今後、新しい顧客管理システムの開発も進めていくという。緒方俊也社長は「導入前後のサポート体制のために、グループ会社の仲介店スタッフをグラングへ異動させた。実務に即し現場の悩みを解決できることと、集客力を向上させるシステムを今後も追加していきたい」と話す。
(2025年6月23日16面に掲載)