不動産会社の生産性向上後押し
国土交通省は7月から、AIを活用した契約関連業務効率化の実証事業を開始した。認定事業者4社の実証事業参画への狙いと各社のサービスの特徴を紹介する。
弁護士30人以上在籍、AIで契約業務改革 8500社が有償利用、多言語にも対応
LegalOn Technologies
リーガルテック企業のLegalOn Technolog iesは、契約関連業務をワンストップで支援するAI法務プラットフォーム「LegalOn」を展開する。契約書のレビューから作成、締結、管理までを一元化し、法務業務の効率化を支援するサービスだ。国内外を含め弁護士が30人以上在籍しており、その多くがサービスの開発に関わっている。順法性の担保が強みで、法律が変更された際はすぐにサービスの更新を行う。国内外の有償導入企業数は8500社(3月末時点)を突破した。
サービスの中核を担うのが契約書レビュー機能だ。アップロードした契約書をAIが最短十数秒で解析し、法的リスクや条項の抜け漏れを洗い出す。指摘事項には弁護士監修の修正文案や根拠となる法令の解説も提示され、利用者は画面上で修正まで完結できる。さらに、2200種類以上の契約書ひな型を活用したドラフト作成から、案件の進捗管理、電子契約、締結後の期限や金額の自動抽出・台帳管理まで一貫して対応する。外国語契約書にも対応しており、海外投資家とのクロスボーダー取引でも活用されている。
LegalOnは順法性の担保が強み
導入企業からは「契約書確認に要する時間を約3割削減できた」との声も寄せられている。AIが一定の基準で契約内容を確認するため、担当者ごとの判断のばらつきを抑えられる。経験の浅い社員の育成や確認漏れの防止にもつながっている。
開発組織を統括する奥村友宏CCOは「不動産業界は契約書類の数が非常に多く、確認業務が大きな負担となっている。本事業を通じて、AIを活用した契約書面確認の有効性を業界全体に広く知ってもらいたい」と期待を寄せる。
「将来的には、夜間に契約書レビューを依頼すれば、朝にはAIが過去の契約データを踏まえた修正案を作成して待っているような世界を実現したい」(奥村CCO)
LegalOn Technologies
奥村友宏CCO
中小企業向け、リーガルテック 8割がレビュー時間の短縮を実感
リセ
AI契約書レビューサービス「Le CHECK(リチェック)」を提供するリセは、中小企業向けに契約関連業務の効率化を支援している。契約書をアップロードすると、弁護士監修のAIが法的リスクや条項の抜け漏れを瞬時に検出。修正文案や根拠となる解説を提示する。法律の専門知識がない担当者でも理解しやすい解説を重視している点が特徴。導入企業数は約3年で急増し、5000社を超える。製造業やIT企業をはじめ幅広い業種で導入が進み、大企業や法律事務所でも利用が広がっている。
利用企業へのアンケートでは、8割以上がレビュー時間の短縮を実感したと回答し、9割以上が弁護士監修AIによるレビュー品質を評価した。見落としや修正時の迷いが減ったとの声も多く、業務効率と品質向上の両立につながっている。





