事故物件などの「訳あり」不動産や空き家の売買・買い取り再販を行うマークスライフ(東京都中央区)が、業績を伸ばしている。2022年に約15億円だった売上高は25年に約78億円となり、26年5月にはTOKYO PRO Marketに上場した。この急成長を可能にしたのは、葬儀会社や保険会社などを中心とした他業種との提携の推進だ。
売上高3年で5倍超、上場も
6000件の売却相談 提携企業経由7割
同社のビジネスモデルは、手放したい不動産を持つ人からの相談を受け、その物件を売買仲介もしくは買い取り再販するというものだ。25年10月期の売上高78億円は、買い取り再販が94%、売買仲介が5.13%と、二つの事業でそのほぼすべてを占める。買い取り再販の件数は年間約500件だ。
これだけ多くの買い取り物件を取り扱うことができるようになったのは、他業種とのアライアンスにより多くの紹介を受けることができる体制を構築したためだ。提携事業者数は7月24日時点で1800社超に上る。25年に同社が受けた売却関連の相談は約6000件だが、このうち約7割は提携事業者からの紹介で受けている。25年は提携事業者を500社以上増やしており、26年の相談数は約9000件に上る見込みだ。
提携する業種は葬儀会社、介護事業者、金融・保険事業者、ガス会社、不動産事業者、リユース事業者、自治体など多岐にわたる。中でも葬儀会社は300社に及んでいる。この中には全国で事業を展開する大手企業も多く、同社の試算によると提携事業者全体での年間葬儀件数は27万件と、市場全体の約17%を占めるという。
一方で、こうしたルートから入手する不動産物件は単価が低いものも多いため、これまで一般の不動産仲介市場にはあまり流通してこなかった。花原浩二社長は「ほかの不動産会社に言っても断られるような物件でも、当社では全国で取り扱うことができる点が提携事業者に評価されている」と話す。
同社はもともと、不動産会社が避けがちな訳あり不動産を取り扱うことで業績を伸ばしてきた。しかし現在、同社の取り扱う物件のうち、事故物件などの訳あり物件が占める割合は減少しつつある。同社が25年に買い取り再販を行った約500件のうち、事故物件の割合は19%程度だ。残りの約8割の中には農地や山林も含まれるものの、住宅地にあるごく普通の戸建て住宅や区分マンションも多いという。
「紹介される案件は必ずしも流通させづらい物件ばかりではない。現在は『事故物件専門』ではなく『事故物件も扱える』会社になっている」(花原社長)





