あさがお不動産、DV被害を受けた母子を援助

あさがお不動産

商品|2020年02月29日

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2019年12月、東武東上線「北池袋」駅前に移転

 来店客の7割が女性のあさがお不動産(東京都豊島区)は、母子生活支援施設を退所する母子や生活保護受給者の部屋探しを中心に仲介事業を行っている。社員数3人の同社だが、母子や生活保護受給者の仲介件数は年間100件に上る。

自社トラックで荷物運び出す

 母子生活支援施設には、配偶者からの暴力やストーカーの被害などによって、精神的に不安定になり生活が困難になった母子が入所している。ただ、自立支援を目的としているため、一定期間保護を受けた後は退所しなければならない。退所を控えた母親がいざ部屋探しを始めても、金銭的な理由や、母子の居場所を突き止めた配偶者が引き起こすトラブルを懸念し、管理会社やオーナーから入居を受け入れてもらえないことが少なくない。同社には部屋探しに難航し、役所などのケースワーカーの紹介で母子が来店する。

 母子は住宅扶助を受給し、敷金、礼金、仲介手数料、保証金などの初期費用と毎月の家賃を支払うことができる。同社では、こうした生活保護の申請手続きもサポートしている。

 同社には、貨物免許を取得している社員が在籍し、社用トラックで母子生活支援施設からの引っ越しをサポート。中にはDVから逃れるため、配偶者が居ない時間を見計らって荷物を運び出す母子の引っ越し作業に力を貸すこともある。

 3年前、夫のDVを受けて宮崎県から東京都青梅市に逃れて生活していた母子から同社に連絡があった。「旦那に居場所が知られ、覚せい剤を使用しながら住みついている」と、夫から逃げようとする母子を助けるために警察に通報。警察に呼び出され事情聴取に応じた夫は勾留されることになった。母子は勾留期間の20日間で部屋探しを行うことを決意。だが、母子の引っ越し先を決めることは容易ではない。通院先のソーシャルワーカー、役所の福祉課、母子の安全を確保しようとする警察、3者の意向をくみ取って引っ越し先を決める必要があるからだ。

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