新サービスで新顧客層開拓
大規模修繕工事を手がけるアローペイント(大阪市)は4月1日、建物共有部の月額制サブスクリプションメンテナンスサービス「メンテホーダイ」を開始した。対象は1棟につき6戸以上ある賃貸物件だ。期間中は何度でも共有部工事を依頼することができる。費用は、1戸月額990円(税込み)で1年契約となる。単発で工事を依頼するよりも費用を抑えられることが強みだ。
同社はこれまでも賃貸住宅や工場の大規模修繕工事を行ってきた。2022年には、最長15年で定額制の大規模修繕工事を行う「コツコツめんて」も開始。メンテホーダイは、建物の定期巡回や清掃以外で、大規模修繕工事まで至らない軽微な建物補修工事が対象になる。
具体的には、足場の設置を要しない外壁の部分的な補修や鉄部の塗装などを依頼することができる。また外壁の高圧洗浄や敷地の植栽の剪定(せんてい)、駐車場のライン補修やドローン(小型無人機)を活用した建物点検などもメニューに含まれる。
家主の利用を主に想定しているが、そのほかにも不動産管理会社が、家主向けに管理物件の美観を維持するための独自サービスとして利用することも見込んでいる。サービスの提供エリアは、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)と関西2府4県(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山)となる。
同社がメンテホーダイを始めた背景には、大規模修繕工事の現場で発生する余材の廃棄問題や職人のスケジュール管理に着眼したことがある。施工は、依頼から3カ月以内を目安に行う。「余材と職人の隙間時間を最大限活用し、職人が施工する品質で費用を抑えて提供することができれば、新規の需要や顧客の創出につながる」と同社の染矢正行社長はメンテホーダイの普及に期待を寄せる。
アローペイント
大阪市
染矢正行社長(41)
(2024年5月6日14面に掲載)