パナホーム(本社:大阪府豊中市)は、女性向けの賃貸住宅新商品ブランド「ラシーネ」と、新商品「おためしステイ」を発表した。同2商品は昨年6月にオープンした単身女性向け2〜4週間の短期滞在型物件「ラシーネ井の頭」(東京都三鷹市)の運営から着想を得たもの。「井の頭」は1年間の問い合わせ数500件、約110人が体験入居するなど好調。同社では2015年度の資産活用事業の受注高1000億円を目指しており、「井の頭」から派生した同2商品を目標達成の柱として提案を強化していく。竣工後はパナホーム不動産(豊中市)が一括で借上げる。
「ラシーネ」は女性専用の賃貸住宅商品で、「井の頭」の入居者の「長期で入居したい」という声に応えた。設備面はセキュリティー、収納、美容、エコなどに配慮。カードキーやホームセキュリティー、ウオークインクローゼット、カウンター付き洗面ドレッシング、パナソニック社製のエアロウォッシャーなどから、施工時に導入する設備を選ぶことができる。
「おためしステイ」は「井の頭」の「短期滞在」「シェア型」住居というニーズを形にした。「井の頭」の入居者の多くは実家暮らしで、短期の1人暮らしに興味を持って入居する傾向が見られた。共用サロンでの交流、セミナーなどが「非日常」「教養になる」と好評で、退去後も入居者同士のコミュニティーは継続することが多く、短期体験入居型の高い需要を見込んで商品化した。
「おためしステイ」の入居者も女性限定。月単位で入居でき、最長6カ月間入居可能。物件内には共用スペースのサロンがあり、住戸は1人入居用の個室のほか、2人で生活できるメゾネットタイプもそろえる。賃料は相場の3割高が目安だという。
今後、東京都内の女性に人気のエリアで「おためしステイ」の提案を強化。「おためしステイ」を核として、「ラシーネ」の提案も行うとともに、今後は全国的にも広げていく。建物価格は「井の頭」で1億2000万円。坪単価53万円だった。
商品発表と同時に企業内研究所として「ラシーネ研究所」を設立した。パナホーム、パナホーム不動産の社員を中心に、パナソニックグループ、女性デザイナー、女性建築家などの専門家のチームで構成。既存のヤングミドル単身女性向け以外にも、共働きや子育て世帯の女性を対象にした商品開発にも注力していく。