海外投資家向け売買仲介に参入相次ぐ

統計データ|2016年12月19日

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年度内に国交省が実務マニュアルを公開


外国人投資家に対し、国内不動産の売買仲介事業に参入する会社が増加している。
国交省のアンケート調査によると、(一社)不動産協会、(一社)不動産流通経営協会、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会に所属する全119社が回答した内容で、13年以降に外国人客との売買取引実績があると回答したのは、67.2%に上った。
その状況を受けて国交省は14日、『不動産取引における国際対応の円滑化に関する検討会』を開催した。


国土交通省の調べでは、「10年前と比べて外国人客との売買取引が増えた」と回答した企業は84.9%だった。
海外から機関投資家だけでなく個人の購買ニーズが高まる中、中小規模の仲介会社が、自力で国際的な取引に対応することは困難だ。
そのためノウハウを共有する仕組みをつくる。
来年3月までに実務に対応した基礎的なマニュアルを作成し、ウェブで開示。
取引の留意点、トラブル事例や判例、用語の英訳集などを盛り込む予定だ。

14日の検討会では、アンケート調査に加えて、06年から外国人向け不動産情報サイトを運営しているReal Estate Japan(リアルエステートジャパン:東京都港区)が、海外不動産取引のマーケットが拡大している状況を報告した。
同サイトには現在36社が、6014件の国内不動産の売却物件を掲載しており、社数は3年前に比べ6倍に伸びている。
「社数は依然として伸びており、最近では地方企業からの問い合わせもある。ユーザーの利用も拡大している」と同社の北川泰浩氏は説明した。
問い合わせ件数は売買物件だけで、年間3361物件に上る。

売買物件を掲載している企業の情報を見ると、免許取得5年未満の企業も多い。
10月に同サイトを通じて売買物件の問い合わせをした外国人128人からの評価が高かった上位3社の企業のうち、2社は今年創業したばかりの企業だ。

6年前から台湾の投資家向けに不動産取引を手掛けてきた東京エステートバンク(東京都港区)岡本公男社長は「6年ほど前、同業者は10~20社程度だったが、今では150社以上になった。昨年6月頃、爆発的に購買ニーズが上がったタイミングで、マーケットに魅力を感じた事業者の新規参入が相次いだのでは」と語る。

またReal Estate Japanの報告によって、東京に一極集中していた投資物件の問い合わせが地方に分散していることが分かった。
問い合わせが多かった物件のエリアとしては、15年までは東京が8割近くを占めていた。
しかし16年1~9月では、東京は58%にとどまり、神奈川、大阪、京都、北海道などが5%以上のシェアをとっている。
都心部の不動産価格が高騰しているためと考えられる。
また最近の傾向として区分所有だけでなく、民泊事業を行うために中古の戸建てやアパート1棟の購入が増えているという。

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