不動産の開発や管理、仲介を行うエンジョイワークス(神奈川県鎌倉市)は、『「新しい暮らし発見」不動産』のサイトを開設。2カ月ほどで月間50件ほどの問い合わせにつながっている。
コラムで暮らしのイメージ発信
同サイトは5月にオープン。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の時代にマッチした新たな暮らし方を実現するための賃貸物件を紹介するサイト。湘南エリアを中心に、海を眺めることができたり、緑に囲まれていたり、波音が聞こえたりと、都市部では探しにくい物件を独自の視点で集めている。
掲載物件数は7月9日時点で賃貸住宅を中心に60件。平均ユニークユーザー数は1日50件ほど。都市部の居住者を中心に月間で40~50件の問い合わせがある。キャンプが趣味の横浜市在住30代公務員の男性など、既に成約案件も出てきている。
福田和則社長は「コロナ禍で、自分の暮らしと向き合う時間が増えた人は多いはず。そんな人たちが、自分らしい新たな暮らしを始めるきっかけになることが狙い。試しに住めるように、賃貸物件の紹介を始めた」とサイト開設の背景を語る。
サイトの特徴は、100文字程度でまとめた、暮らしのイメージを想起させる紹介文。例えば、JR横須賀線「逗子」駅から徒歩2分のマンション3階の2LDKで専有面積59・18m2、賃料12万円の物件。タイトルは『新しく水彩画を始める暮らし』。紹介文では、住み手の思いを表したような文面で生活の雰囲気を伝えている。同物件では、外観や内観の写真に加えて、バルコニーからの景色を動画で紹介する。
当初、物件の紹介ページの作成には、観光客の減少で業務にゆとりができた、自社で運営する宿泊施設のスタッフを充てた。現在は、宿泊施設に客足が戻ってきたこともあり、ページ作成をメーン業務とするスタッフを配置した。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」時代の新たな暮らしをコンセプトにしていることもあり、書類のやり取りは郵送で済ませるなど、物件探しから入居までを非対面で完結できる。
「重視したのは、ユーザーの想像力をかきたてること。そのため、物件の細かな説明はあえて省いている。今後は、独自のアルゴリズムでユーザー一人ひとりにマッチした物件を紹介するレコメンド機能の実装を予定している」(福田社長)
エンジョイワークス
神奈川県鎌倉市
福田和則社長(45)