ミサワホーム(東京都新宿区)は、米国の100%子会社を通じて、コロラド州デンバー近郊で賃貸集合住宅を開発すると5月31日に発表した。事業規模は103億円で、米国での賃貸集合住宅の開発は初となる。
今後同様のスキームで100億円規模のプロジェクトを2、3件継続して実施し、米国での事業ノウハウを蓄積する。
プロジェクトには三菱商事の米国不動産投資会社と米国の開発大手3社が共同出資する。
建設する集合住宅は木造4階建て4棟で、総戸数は338戸。1階にはテナントが入居し、2~4階は居住スペース。間取りは1LDKで、専有面積は平均82㎡。専有面積を周辺の物件より平均で9㎡広くし、差別化を図った。2023年2月の竣工予定で、竣工前から入居募集を開始し、入居率が一定の割合以上になった時期に一括売却する。
想定賃料は月額1870ドル(約20万5000円)。入居者のターゲットは、世帯年収800万円以上で、持ち家購入前のミレニアル世代と呼ばれる20~30代の単身世帯とDINKS。ターゲット層の賃貸需要に応える物件の供給が少ないことから、米国での初の賃貸集合住宅の開発案件として参画を決めた。
ミサワホームでは19年1月に戸建て住宅を年間700棟建設するImpression Homes(インプレッションホームズ)を買収し、米国で戸建て事業に取り組んできた。米国ではミレニアル世代が6800万人存在しており、2050年まで全人口の一定割合を占めるとみられている。「持ち家を取得する前のミレニアル世代向けに賃貸集合物件の開発に継続的に参加し、米国での事業基盤を固めていく」と海外事業部の滝澤友久部長は語る。
(6月21日1面に掲載)
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