入居時の孤独死や無断退去発生時の残置物処理と賃貸借契約解除に関する「スムービングサービス」を提供するリーガルスムーズ(東京都中央区)は、7月に一般社団法人栃木県宅建サポートセンター(栃木県宇都宮市)と同サービスに関する業務提携を締結した。公益財団法人栃木県宅地建物取引業協会(同)に所属する不動産会社が入居者に対して、スムービングサービスを提供できるようになった。
スムービングサービスは、無断退去や孤独死などが発生した非常時に、入居者に代わって退去や残置物の処理などに関する手続きを行うサービスだ。明け渡し訴訟など従来の手続きをすることなく解約できるため、早期に次の募集を始めることが可能。不動産管理会社やオーナーの負担を減らすだけでなく、入居者にとっても、家賃滞納期間が3カ月程度に抑えられる。リスクが高いと判断されがちな外国人や高齢者を入居支援する側面から締結に至った。家賃債務保証会社8社と連携しており、保証会社を通じてもサービスを展開している。
契約はリーガルスムーズと入居者の間で交わされ、賃貸借契約などの解除のみの基本契約が月額で330円、年額で3300円。非常時の退去サービスまで含まれた「オプション付き契約」の場合は、月額で539円、年額で5129円となる。8月には、一般社団法人山梨県宅建サポートセンター(山梨県甲府市)とも同様の提携を結んでいる。
リーガルスムーズの川上明社長は「6月に国土交通省と法務省が公表した「残置物の処理等に関するモデル契約条項」とスムービングサービスの内容は方向性が一致している。高齢者以外の入居者に対しても安心して生活ができるように今後も提携を進めていきたい」と語る。
(8月16日9面に掲載)