アパートの建築や空き家再生などを手がける和工房(愛知県半田市)は、シングルマザーを対象に、空き家を活用した家主業をサポートする「シングルマザー大家業プロジェクト」を8月に開始した。空き家再生事業の拡大に加え、シングルマザーが長期的に安定した収入を得られる手段を提供することで社会問題の解決にもつなげる狙いだ。
物件探しから入居募集まで支援
同プロジェクトでは、空き家の見学、金融機関からの資金調達、家主業についての学習、空き家再生完了後の入居者募集などトータルで支援する。一定期間内に家主業の継続が難しくなった際には、物件の買い取りも行う。8月27日に開催した初回の空き家見学会には、40代のシングルマザー3人が参加した。
空き家を購入して家主業を行う場合、改修費用を含めて、総投資額は500万円前後が目安となる。また、同社が展開する「ヤモタス」を利用した場合、空き家を購入しないため、80万円程度から賃貸経営が可能になる。ヤモタスは、投資家がオーナーから空き家を借り上げ、自己負担で改修したうえで賃貸住宅として運営するというビジネスモデル。投資家は物件所有者にならずに、家賃の5~9割を毎月の収入として得ることができる。
松久保正義社長は、「不動産投資は、生活困窮の危機にある人にこそ必要。特に子育て中の母親たちは時間も限られている。賃貸経営の知識の習得と実務をサポートすることで、シングルマザーが大家になれる道を切り開きたい」と話す。
和工房
愛知県半田市
松久保正義社長(41)
(9月13日2面に掲載)