「家余り」が進む一方、人の住まい方は多様化し、不動産の価値も変化しつつある。立地や築年数に縛られず、不動産の持つ潜在力を引き出す「再価値化」に挑むのが、富士建設(大阪市)だ。同社が打ち出すリノベーションサービス「crulib(クルリブ)」は、建築家を含めたチームで設計から資金調達、施工までをワンストップで担い、ストック不動産の価値向上に向けてオーナーに伴走する。
壁作らず、多様な暮らしに順応
賃料総額46%増加
大阪市西区に立つ、RC造8階建て全42戸のマンション。富士建設は、2003年竣工のこの物件を22年に取得し、居室やエントランス、廊下の改修を実施した。
経年により古びた印象を与えていたこともあり、稼働率や賃料が減少傾向にあったが、都心へのアクセスの良さや生活環境が充実していることから、幅広い年齢層において賃貸需要が見込めると判断した。そこで、すべての部屋がワンルームで構成されていた居室を、退去発生時に順次、2戸の部屋をつなげてファミリー層も入居できる1戸へと拡張した。
特徴は部屋の仕切りがない点だ。一部に可動式の戸は設けているものの、間仕切り壁はなく、キッチンなどの水回りを中心に部屋全体を回遊できる設計にしている。




